芋焼酎の品種

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芋焼酎と一口に言っても、様々な種類の原料芋からバラエティーに富んだ焼酎が造られます。
代表的なものは、「黄金千貫(コガネセンガン)ですが、その他にも様々な種類があり、その違いが焼酎の味わいにも反映されます。
今回は、芋原料の品種について調べてみましょう!

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●黄金千貫(コガネセンガン)
芋焼酎造りの原料として最もポピュラーなもの。食用としても親しまれ、サツマイモの代表格。
黄金千貫は中身、そして皮まで白く、蒸すと甘い香りが漂い、食べてもホクホクとして甘い。この香りと甘さが、芋焼酎のフルーティーな香りと味を造り上げている。
でんぷん価は、20~30%他の芋と比べ高く、芋加工食品などにも広く使われている。

●ジョイホワイト
芋焼酎の味のバリエーションを広げようと、1994年に開発された焼酎専用のサツマイ モ品種。黄金千貫の品種改良型だが、熱しても甘くなく食用には向かない。
しかし、黄金千貫を上回るでんぷん量があり、フルーティーな味わいの焼酎が出来上 がる。病害虫に強く、貯蔵性は黄金千貫より高い。

●紅さつま
「サツマイモの王様」と言われており、甘味が強くて味が良い。外皮は濃紅色で、中は白色。
バランスの取れた栄養素を持ち、食物繊維を豊富に含んでいる。芋本来の甘みを感じられる焼酎に仕上がる。

●しもん芋
原産国ブラジルから1972年に持ち込まれ、熊本県の特産品となった白サツマイモ。甘みが多い。
桁違いの量の天然ミネラルやビタミンA・E・Kや繊維質が含まれており天然健康食品として評価されている。

●金時芋
黄金千貫と紅さつまの長所を併せ持ち、サツマイモの中でも一番美味しいとされており、全国で栽培されている。
外皮は紫赤で、中身は淡黄色。心地良い香りとシャープでキレの良い中にもほんのりと甘い焼酎となる。

●紫芋
焼酎で使われている主な紫芋は、鹿児島特産の綾紫や、種子島特産の種子島紫芋など。希 少性の高い品種。
紫色の色素はアントシアニンをいう天然色素成分によるもの。種子島紫芋は「薬膳芋」とも呼ばれ、健康食として珍重されてきた。
紫芋を使っ た焼酎は、通常のさつま芋に比べて、より甘く華のある香り、軽やかで上品な味になるのが特徴。

●安納芋
種子島の安納地区に古くから伝わる安納芋は、元禄11(1698年)第19代種子島弾 正久基公に琉球王国の中山王尚貞より一籠を送られたと言われ、さつま芋の原種に近い品種と考えられています。
紅芋や紫芋より糖度が高く、ねっとりとした濃 厚な甘さが特徴。カロチン、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、食物繊維、ヤラピンなどを多く含み、健康食品としても注目まれています。

●種子島紫
ポリフェノールを豊富に含み、薬膳芋とも呼ばれ色鮮やかな肉食の「種子島紫」は強い甘 さも併せ持っており、焼芋としても人気の品種。
他のさつま芋と同じように、ビタミンCやE、食物繊維、カリウム、ヤラピンなどの豊富な栄養素を持っていま す。
亜熱帯性で、暖地で栽培すると甘さや旨みも増すらしく、種子島の気候風土に非常に良くあった作物です。

●ムラサキマサリ
ブルーベリー同様ポリフェノールの一種アントシアニンをたっぷり含んでいます。アントシアニンはその強い抗酸化作用により老化防止、血液サラサラ、目の健康を維持する働きが大きいといわれています。
芋の色は紫色。主に加工食品用として使用されています。

●紅あずま
さつまいもの中でも高品質でポピュラーな品種です。
皮が華やかな紅色で、中身が黄色。甘味が強く、ホクホクしていて繊維質が少ないのが特徴です。

●白豊(しろゆたか)
白豊は糖度が大変高く、甘くて大変美味しいさつま芋で、主に種子島で栽培されています。
種子島の土壌には豊富なミネラルが含まれており、この土壌のおかげで種子島産の白豊は糖度が高くなるそうです。

●げんち芋
戦前・戦後、鹿児島で主に作られていた幻の品種。昔は焼酎用に使われていたそうです が、今ではほとんどお目にかかれません。
黄金千貫に比べ6割程しか収穫出来ず、水っぽく、加工が難しいそうです。多くの焼酎原料用芋が白色の皮をしている のに対し、げんち芋は赤色の皮をしており肉質も硬いのが特徴。


芋焼酎が注目を集めるようになった中で、原料芋の品種にこだわる蔵元が増えています。
サツマイモは非常に品種が多く、40種類以上にも上るとか・・。これからも新しい品種が誕生していくことでしょう。