貯蔵方法

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一般に蒸留酒は貯蔵すると美味しくなるといわれます。酒質の安定化を計る為、本格焼酎は蒸留してすぐに出荷されることは稀です。(芋焼酎は出来たばかりの新酒を嗜む慣習があります)

焼酎の貯蔵熟成期間は大きく分けて3つあります。
先ず、初期(3〜6ヶ月)は、ガス臭の元になる成分が減り、刺激的な香味が収まります。
次に中期(6ヶ月〜3年)で様々な香味成分が化学変化によって落ち着き、丸みを帯びた酒質となります。
さらに古酒(3年以上)になると、香味成分が凝縮され、独特の風味を持ち始めます。

焼酎の貯蔵は、その容器や保管場所が蔵によって違い、それが焼酎の個性にも反映されます。貯蔵に用いる容器は甕、樽、タンクと大きく3つに分けられます。

【かめ貯蔵】

kamechozou

■かめの無機物が自然に溶け出し、口当たりまろやかな風味を造り出す。
■かめの表面にある無数の気孔に詰まった空気が熟成を促進。
■泡盛は、3年超えたものを古酒と言い、長期かめ熟成を守り続けている蔵が多い。
■タンク貯蔵が普及する以前は、かめ貯蔵が一般的だった。

【樽貯蔵】

taruchozou

■ウイスキーのように木製樽に貯蔵する方法。ウイスキー樽やシェリー樽、新樽などがある。
味は一般的に甘味が強い。
■色は琥珀色、香りは樽香が移りバニラのような甘い香りとなる。
■樽香により、個性的な焼酎に仕上げることが可能。

【タンク貯蔵】

tankchozou

■現在最も多く用いられている貯蔵法。ステンレス製やホーロー製のタンク。
大容量のものが多く生産性に優れる。
■ 蒸留直後の焼酎に含まれる揮発性(※)のガス臭をかき混ぜることにより揮散させ熟成させる。
■ 熟成速度は、かめ貯蔵、樽貯蔵に比べ劣る。
※揮発性(液体が、常温で気体となって発散すること)