焼酎の父

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焼酎に用いられる麹菌には、白麹、黒麹、黄麹の3つがあります。この名前は胞子の色によって付けられたもので、発酵を起こさせたり、促進させたりする麹の働きは、焼酎の出来上がりに大きく影響します。(麹菌について詳しくはこちら

現在、日本で生産されている焼酎の80〜90%は河内源一郎商店の白麹を使っています。その白麹菌の発見者が明治16年、広島県で生まれた河内源一郎です。

明治末期、黄麹を使っていた鹿児島の芋焼酎造りでは、暑さでもろみが腐ることが蔵元の悩みの種でした。

そこで大蔵省税務監督局鑑定官として鹿児島に赴任した河内源一郎は沖縄の泡盛に注目し、泡盛で使われている黒麹を持ち帰って研究を始めました。
研究生活を続けていた大正13年、黒麹の中に白い胞子を造る突然変異体を発見しました。つまり黒麹の突然変異体が白麹なのです。

その後、白麹の普及に努めた河内源一郎でしたが業界の反応は冷たく、研究が認められることがないまま昭和23年に66歳の生涯を閉じました。氏の功績が認められたのは没後のことです。この白麹菌は、学名「アスペルギウス(=麹菌)・アワモリ・ヴァル・カワチ」と名付けられました。仕込みやすく、穏やかでやさしい淡麗な味わいに仕上がる白麹は今では焼酎造りの主流となっています。

その偉大な功績により、河内源一郎は「焼酎の父」と呼ばれています。
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日本にある多くの焼酎が白麹の焼酎です。コクと深みがある黒麹焼酎は焼酎ブームを境に人気急上昇中、黄麹は主に清酒の製造で使われることが多く、焼酎にはあまり使われていませんが柔らかで華やかな味わいが特徴です。

●河内源一郎をもっと深く知るには●
チェコビール園をメインとした観光施設、鹿児島県のバレル・バレープラハGEN(焼酎工場GEN)※には、河内源一郎に関する資料が展示れています。
また、河内源一郎商店は麹菌の製造の他に、鹿児島市内のショップ「麹の館」※にて無添加の栄養性に富む新たな麹加工食品を開発・販売しています。

※バレル・バレープラハGEN(焼酎工場GEN)・・・鹿児島県姶良郡溝辺町麓876-15  鹿児島空港そば
TEL:0995-58-2535
※麹の館・・・鹿児島市清水町13-30 TEL:099-247-1001