酒をたのしむ~漢詩にみる酒の普遍~

LINEで送る

「呑酒之十徳」という詩をご存知ですか。

呑一合 舌先打鼓
呑二合 咽喉鳴笛
呑三合 胸打太鼓
呑四合 臍君大笑
呑五合 紅唇唄歌
呑六合 心充煩悶
呑七合 全身愉躍
呑八合 壮絶快絶
呑九合 豪傑眼中
呑一升 天下無敵

これは金仙という方が
お酒を飲んでいく段階での気持ちよさを謳った漢詩です。

kobanashi_kanshi01

一合飲んでは その美味しさに舌鼓を打ち
二合飲んでは さらにお酒を求めて喉を鳴らす

七合飲んでは 楽しくなって全身で踊りだす
一升飲めば 天下無敵

といった様子でしょうか。

その気持ち良さが表された、とても面白い詩です。

お酒にまつわる詩は、古くからあり
かの有名な中国唐代の三大詩人、李白、杜甫、白楽天も大酒飲みと言われており
多くのお酒の詩を残されています。

有名な詩では、杜甫による李白の飲みっぷりを評した「飲中八仙歌」があります。

李白一斗詩百篇
長安市上酒家眠
天子呼来不上船
自称臣是酒中仙

李白はお酒を一斗飲む間に、詩を百篇もつくり
陛下からお呼びがあってもお酒を飲んでいて船に乗れない といった詩です。

他にも「酒飲みの歌」と題した
この一杯は百薬の長となるか、害となるか、といった様子を詠った詩もあります。

昔から、人々がお酒を楽しみ、
「お酒は飲んでも飲まれるな」の精神が根づいてたことが これらの詩から見受けられます。

「時代は変われど お酒の楽しさは変わらない」

後の世も、こうありたいものです。