知るほどウマい!日本酒の種類~特定名称酒~

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日本酒を飲むときや購入する際、何を基準に選びますか?
味・銘柄・評判・見た目・価格 その基準は時と場合で様々と思います。その際に「種類」を気にされる方は どれほどいらっしゃるのでしょう。

同じ蔵元、銘柄にも、吟醸酒、純米酒、本醸造酒、原酒、生貯蔵酒、生酒、生一本、にごり酒、おり酒、、、と種類は多岐にわたり価格もそれぞれ。その違いは製造上の特徴により様々に分類されていますが、「どの種類がどんな特徴を持っているのか?」きちんと説明できる方なんて日本酒業界に携わるごく一部の方かコアな日本酒ファンの方たちではないでしょうか。かくゆう私自身も、それらの持つ特徴を曖昧なイメージでしか捉えていません。

一般的に日本酒を愛飲されている方は、どれくらいその違いを意識していらっしゃるのでしょう。
「吟醸と付くから なんとなく良いお酒」
そんな漠然としたイメージで選ばれている方も多いのではないでしょうか。

知らずに飲んでいる!?

ここに、当社が実施したアンケートがあります。

「清酒(日本酒)について知っている言葉を選んでください(複数回答)」という設問で、日本酒に対する認知度を調査しました。

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注目したのは「特定名称酒」の認知度の低さ。

アンケート対象は、当サイトに訪問いただいた方のため、通常よりはお酒に対する興味のある回答者が多いと思われますが、それでも結果はほとんどの方が知らないと答えています。

とても残念な結果となりました。

では特定名称酒とは。

その名の通り、普通酒と区別された『吟醸酒』、『純米酒』、『本醸造酒』、を指します。この3つのタイプが基本となります。なお、この特定名称は酒税法において、原料や製造方法等の違いによって8種類に分類されます。

特定名称 使用原料 精米歩合 こうじ米使用割合 香味等の要件
吟醸酒 米、米こうじ、醸造アルコール 60%以下 15%以上 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
大吟醸酒 米、米こうじ、醸造アルコール 50%以下 15%以上 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好
純米酒 米、米こうじ 15%以上 香味、色沢が良好
純米吟醸酒 米、米こうじ 60%以下 15%以上 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
純米大吟醸酒 米、米こうじ 50%以下 15%以上 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好
特別純米酒 米、米こうじ 60%以下又は特別な製造方法 15%以上 香味、色沢が特に良好
本醸造酒 米、米こうじ、醸造アルコール 70%以下 15%以上 香味、色沢が良好
特別本醸造酒 米、米こうじ、醸造アルコール 60%以下又は特別な製造方法 15%以上 香味、色沢が特に良好

上記以外の日本酒は、容器や包装に特定名称や類似する用語を表示することはできません。

なぜ、価格が高いのか。良いお酒と言われるのか。
精米歩合と呼ばれるお米を削る割合が多くなればなるほど、杜氏さんの技術の枠を結集したお酒だからです。
もちろん、値段と味わいが比例するとは一概には言えません。
それぞれの種類が味わいに特徴を持ち、好みも人それぞれです。

本醸造は、酒造りの基本に位置するお酒で蔵の基本となるお酒
純米酒は、原料米の特徴を最大限に引き出したお酒
吟醸酒は、原料米を磨くことで澄み切った味わいとなるお酒

同じ銘柄でも、その種類によって大きく味わいが異なります。
単に価格や銘柄だけで判断するのではなく、吟醸、純米、本醸造と特定の名称を与えられた日本酒が、その原料、製法の工程にいかなる価値を与えられているのか、を認識して味わうことで、さらに日本酒の世界が広がるのではないでしょうか。