古伊万里酒造外観

【お蔵レポート】佐賀県古伊万里酒造に行ってきました。

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2014年10月、佐賀県古伊万里酒造に行って参りました。

佐賀は福岡のお隣なのですが、なかなか蔵元さんを訪れる機会がなく、今回初めての訪問となる古伊万里酒造さん。社長ご夫婦に自慢の商品について色々ご紹介いただきました。

 古伊万里酒造 菰樽

古伊万里酒造有限会社 佐賀県伊万里市二里町中里甲3288-1

創業は明治24年(1891年)、国の伝統工芸品に指定されたことでも有名な焼き物「有田焼」「伊万里焼」のある佐賀県西部の伊万里市の中心に蔵を構えています。江戸時代より伊万里の港から海外へ輸出されていた有田焼の荷に、「伊万里」の印があったことよりその焼き物は「古伊万里」呼ばれ世界中で愛されています。焼き物「古伊万里」に負けぬよう日本酒「古伊万里」も世界中の方々に愛されるようにと日本酒一筋を作り続けている蔵元です。

 杉玉

福岡から車で走ること1時間とちょっと、酒蔵の象徴大きな杉玉と、菰樽がお出迎えしてくれました。蔵の周囲や販売所のいたるところに陶器が。さすが陶器の町ですね。

古伊万里、前

古伊万里酒造さんの代表銘柄は「前」と「古伊万里」。前と書いて「さき」と読むこちらの日本酒は数多くの賞を受賞しており、国内大手の航空会社のファーストクラスでも採用されるほどの人気を誇るお酒です。そして「古伊万里」は地元の皆さんに昔から愛されているお酒。原料となるお米も地元の契約農家で栽培いただいてるお米を使用しています。

山田錦

佐賀では、佐賀の原料100%使用、佐賀で製造され特に品質が優れている商品(純米酒、焼酎)には「The SAGA認定酒」と呼ばれる称号が与えられる佐賀県産地呼称管理制度があります。もちろん古伊万里酒造さんのお酒も数多く認定されています。

今回お話しを伺わせていただいたのは、前田社長と前田専務。
くみ子社長は四代目になるそうです。

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「安価なお酒ではなく、本当に美味しいものを造っていきたい」
「伊万里を大切に、地元の皆さんを大切に」
とお話ししてくださったお二人。

とても人気のある「前」をいっぱい造りたい。けれどそうしてしまうと地元の方々が昔から愛飲してくださっている「古伊万里」が足りなくなってしまう。そんなジレンマも抱えているそうです。

そんな地元を愛する気持ちから産まれたのがこちらのお酒。

昨年の2013年は、病害虫「トビイロウンカ」と高温障害の影響で、吟醸酒や純米酒に使われる酒造好適米が佐賀県内で不作となりました。そこで、契約農家を救済しようと規格外の山田錦を買いうけ、造られたのがこのお酒です。

古伊万里 純米

まだ製品化されていない原酒段階のお酒を試飲させていただきました。

 原酒なのでアルコール度数は19度ほど。しかしそれを感じさせないまろやかさがあり、一方で純米らしいコシもしっかり味わえるお酒でした。これからさらに熟成され、商品化になるのが楽しみな一本でした。

このように様々な試みをされているのが古伊万里酒造さんの特徴。

「生産量は大幅に増やせないけれど、やっぱり日本酒を多くの人に飲んで頂きたい」と
他にも切り口を変えた商品などを試作中とか。

 そのチャレンジ精神が伝わり、こちらの商品は国内外数多くのコンクールなどで賞を受賞されています。

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地元の特産品の陶器に入れたカップ酒は、お土産用、プレゼント用にと特に大人気。

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「魅力ある日本のおみやげコンテスト」でも受賞されていました。
とっても可愛らしいお酒ですね。

 昔からの品質の優れたお酒を造り続けながら、新しいお酒にもチャレンジされている古伊万里酒造さん。今後もどんなお酒が生まれるのかとても楽しみな蔵元さんですね。素材、商品、土地柄、人柄、など地元九州の良さをこれからも一緒に発信していけたらと思いました。