製麹(せいきく)作業

【お蔵レポート】三和酒類 虚空乃蔵に行ってきました。その4 製麹・酒母仕込レポート編

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さて、お酒の味を左右する製麹と酒母造りをほんの少しだけお手伝いさせていただきました。

まずは、既に種付けされた麹を拝見。

麹米

お米の周りには白い粉のようなものがまとっています。
麹の温度は37度。麹菌は微生物でカビの一種です。温度が高すぎても低すぎても活動ができず、温度・湿度管理が徹底されます。

放っておくと分解時に発生する熱で温度が高くなりすぎるため、徐々に面積を広げていきながら、均一な温度になるよう、面を揃えていきます。

製麹

麹菌の活動を待ちながら、翌日。
さらに、白さが増しています。

麹米
香りはまるで栗のよう。一口味見させていただいたところ、味も栗のように甘くて、ホクホクした味わいでした。

作業に挑戦

麹をならす作業にも挑戦!ホカホカ温かく、とっても気持ちが良いです。作業が終った後の手はとってもスベスベ。女性には嬉しい作業ですね!

この麹室で造られた麹は、その後、蒸米・酵母・水と合わさり、酒母となります。

次に、1週間前に仕込まれていた酒母を拝見。

虚空乃蔵で行われている酒母つくりは、二種類。
高めの温度で糖化を進めてから酵母を増殖する「高温糖化」と

酒母つくり
酒母 高温糖化

糖化と酵母増殖を同時に行う「速醸」

酒母つくり
酒母 速醸

この日はちょうど「高温糖化」の方法で、酵母を投入する作業でした。
酵母は温度が高すぎると働かなくなるため、計算しながら水を入れたり、氷を入れた容器を投入して、二人がかりでかき混ぜながら冷ますこと約30分以上。
周囲には甘酒のような甘い香りが漂います。

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こちらもかなりの作業ですが、やはり酒母も生き物。急激に温度を下げてはいけない、とゆっくり時間をかけて大切に作業を行います。

そして、酵母を投入。底にある白いものが酵母です。

酵母

この酵母が、麹菌が作ったブドウ糖からアルコールを生み出します。

静かに発酵を待ち、その後、水と残りの蒸米と麹を加えて醪がつくられていきます。
もちろんここでも一度に加えると、酒母の働きが弱くなります。
初添・仲添・留添と3回に分けて蒸米、麹、醪を加える「三段仕込み」という方法が行われます。

この作業が、蒸米レポートで醪に掛米を加えていた作業なんですね。

中仕込み

この後、上槽と呼ばれる酒造りの仕上げとなる搾りの作業に入ります。
通常はフィルターを通して濾過をします。

そして、お酒の種類によっては火入れが行われ、貯蔵、瓶詰めという行程を経て、商品となります。

お酒はこうやって、作られているんですね。

この日、なんと搾りたての大吟醸を試飲させていただきました!
しかもこの大吟醸、昔ながらの手造りにこだわり、フィルターを使わないその名も「首吊り」と呼ばれる方法で搾られたそうです。

その味わいはいかに!?

未掲載画像も満載の酒造り体験を終えてのレポートはこちら