焼酎紀行～本格焼酎試飲フェスタin福岡報告～

第1回：	奄美大島開運酒造	小松大介氏
第2回：	大山酒造	大山哲彦氏
第3回：	高千穂酒造	飯干修誠氏
		下中野健氏
		南村拓海氏

普段、愛飲している焼酎に関する質問を焼酎の造り手に直接聞くことで焼酎に対する知識、こだわりを知っていただこうとこのイベントを企画しました。


司会：	緊張されてるようですが、リラックスされてくださいね。さっそくですが、御社の代表銘柄の「れんと」は製造方法がちょっと変わってるんですよね？
小松氏：	そうですね。製品としてできてから、音響をかけて振動で熟成させています。そうすることで焼酎がとてもなめらかになるんです。
司会：	黒糖焼酎は糖分ゼロって聞いてますが本当ですか？
小松氏：	本当ですよ。仕込みの段階で酵母が糖分を消化してしまうんです。糖は気化しないのでアルコールに移行しないんです。これは蒸留酒ならではの焼酎の特徴の一つですね。
司会：	甘みがあるのに糖分がゼロということで、女性にお勧めですね。ダイエットなどにも効果ありそうですね。
司会：	奄美大島開運酒造様では現在、「杜氏」の別の読み方を考えているとお聞きしたのですが。
小松氏：	はい。当社は、造りの理念としまして「全員で一つのものを造る」というものを掲げまして、「技術者集団」という呼び名で工場を運営していこうと考えています。
司会：	皆さんで心を一つにしていい商品を造っていきたいということだと思いますが、最後に今後どのようなことを目標に焼酎造りを行っていきますか？
小松氏：	皆で造りにこだわりながら、消費者に少しでも愛されるような焼酎を造っていきたいですね。最終的には世界に通用するような焼酎をと思っています。
司会：	「世界に通用する焼酎」というお言葉を頂きましたが是非、実現していただきたいですね。本日は、どうもありがとうございました。

<会社概要>

昭和29年創業の（資）戸田酒造所の経営を引き継ぎ、平成8年4月に設立。平成9年7月、製造工場を名瀬市から宇検村に新築移転。< 平成13年6月、健康飲料工房新築操業・黒糖もろみ酢工場操業。平成14年5月、黒糖醸造酢工場・リキュール工場新築操業。平成15年6月、黒糖もろみ酢に関する特許（製品・製法）・黒糖醸造酢に関する特許を取得。

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司会：	大山酒造様と言えば、1銘柄にこだわって造り続けているということですが、どうしてですか？
大山氏：	私は、銘酒というものは100年や200年で出来るものではないと思っています。何代にも渡り味を守ることによって、時代感覚豊かな古典的な酒が生まれると思っていますので、どうしても他の銘柄を造ろうという気が起こらないんですよね。
司会：	大山社長のロマンがそのまま焼酎造りに活かされているのですね。焼酎造りで1番力を入れてる部分はどこですか？
大山氏：	麹造りですね。自然環境や杜氏の腕にももちろん左右されますが、焼酎造りの原点は良い麹を造るということなんです。当社は創業以来、手造り麹を使っています。それによって消費者が何かを感じてくれたら嬉しいです。
司会：	きっと消費者の方には伝わっていると思います。今後、米焼酎を造るという構想があると聞いたことがあるのですがどうお考えでしょうか？
大山氏：	戦前、伊佐郡では米焼酎を主体に造っていました。今は、鹿児島では米焼酎はほとんど売れませんが、地元のおいしい米を使ったらおいしい焼酎が出来るのではないかと思っています。
司会：	鹿児島産の米焼酎、私もぜひ飲んでみたいです。焼酎を造る上で心掛けていること、目標は？
大山氏：	井の中の蛙になったら決して良い焼酎は造れないと思うので、人様の焼酎を飲んで勉強し、また自らを知る、常にそういうことを心掛けています。また、自分が飲みたい焼酎を追い続けたいですね。そのためには常に自分の感覚を養っていかなければならないと感じています。
小松氏：	ぜひ、これからもこだわりの焼酎を提供していただきたいと思います。本日は、どうもありがとうございました。

<会社概要>

四方を山で囲まれ、霧島連山を東方に仰ぐ水郷伊佐地方。「鹿児島の北海道」と呼ばれるほど冬場は冷え込みます。ここに蔵を構える大山酒造様は1905年に創業されました。
明治38年創業、現在3代目。唯一の銘柄「伊佐大泉」に社運をかけて、香り、味の更なる向上を目指す。

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司会：	高千穂酒造様の焼酎には原料に珍しいものを使用した焼酎がありますよね？
下中野氏：	はい。とうもろこしを原料にした「静寂の時」「刈干」という製品があります。酒質は淡麗で、樫樽で貯蔵するため多少色がついています。「静寂の時」に関しましては、100％とうもろこし仕込みで造っています。
司会：	私はまだとうもろこし焼酎というものを飲んだことがないのですが、是非、後ほど試飲してみたいと思います。造りの際、お水にこだわっているとお聞きしましたが。
下中野氏：	当社の製品はすべて、割り水に阿蘇の白河水源の水を使用しています。軟水なので口当たりのやわらかい焼酎が出来るんです。
司会：	水によって焼酎の味も大きく左右されるんですね。先月発売になった麦焼酎「高千穂」ですが、他の商品と比べてどこが違うんでしょうか？
飯干氏：	原料そのものは他の麦焼酎と同じ大麦を使っていますが、麹を黒麹にしたということ、原料をすべて麹にして仕込んだということ、さらに、常圧蒸留100％の原酒を使っているということが特徴ですね。
司会：	バラエティに富んだ焼酎造りに取り組んでいらっしゃる高千穂酒造の皆さんですが、最後に今後の抱負をお願いします。
飯干氏：	本格焼酎ならではの味わいを出せるような焼酎造りを目指したいですね。
下中野氏：	本格焼酎たる本格焼酎というものにこだわった焼酎造りをしていきたいですね。
南村氏：	消費者に満足して頂ける焼酎を造りたいです。
司会：	これからも個性的な焼酎を私たち消費者のもとに届けていただける事を期待してます。本日はどうもありがとうございました。

<会社概要>

明治35年、宮崎県西臼杵郡高千穂町大字芝原にて興梠今太郎氏が本格焼酎製造を始める。
昭和45年、高千穂町大字押方に新工場建設移転、商号を玉の露株式会社に変更。
昭和51年、商号を高千穂酒造株式会社に変更。昭和59年、新工場建設。昭和60年、大阪支店開設。
平成2年、ヤマエ久野株式会社に依る資本参加。平成5年、福岡支店開設。