新発見!再発見!!本格焼酎&泡盛の魅力 〜焼酎新時代〜 本格焼酎&泡盛試飲フェスタin福岡 報告ページ
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講演会
流通業界の動きは、ここ数年めまぐるしいものがあります。
例えば酒類業界でいいますと、酒類免許の緩和により、酒を取り扱うお店が劇的に増えました。昔は、お酒といえば酒販店で購入するのが一般的でしたが、今ではスーパーやコンビエンスストアーでも手軽に買う事が出来、酒類業界は激しい競争の波にさらされています。
今回は、流通業界の論者エキスパート、日経流通新聞流通経済部の井本省吾氏に「流通業界〜3年ひと昔〜」というテーマで講演して頂きました。
講師:井本 省吾氏 テーマ:流通業界〜3年ひと昔〜 略歴 1947年 東京都生まれ。1969年 東京大学農学部卒業。1970年 日本経済新聞社入社。流通経済部次長を経て、現在流通経済部編集委員。著作に「流通新時代の革新者たち」(日経ビジネス人文庫)、「流通戦国時代の風雲児たち」「流通のしくみ」(日本経済新聞社)など。 写真:講師の井本氏

変化する流通業界

2000年に入って、企業の倒産や経営破綻が著しい勢いで広がりました。
流通業界においても淘汰、再編の動きがこれまでにないペースで進んでおります。

  • 『スーパー』
    2001年9月、マイカルが民事再生法を適用し、2003年11月にイオンが子会社化しました。
    九州地区においては、寿屋やニコニコ堂が民事再生法を申請、大手のダイエーは産業再生機構を活用して再建を図っています。また西友はウォルマートの傘下となりました。現在残っているのは、イオンジャスコとイトーヨーカドーくらいです。しかしその2社においても、売上高利益率は低く、業績は悪化しています。
  • 『百貨店』
    2002年5月、岩田屋が伊勢丹の傘下に入りました。地方百貨店が厳しいのはもちろんですが、大手百貨店においても、三越が横浜・大阪・倉敷の店舗を2005年5月に閉鎖するなど、縮小の流れは避けられないようです。

今後の業界形態を先取りする家電業界

写真:講演会場の様子大きな変化を見せているのは家電量販店です。あっというまに、老舗の量販店が倒産してしまったのがここ3年間の動きです。また企業の吸収合併も広がっています。ヤマダ電機が年商1兆円を上回る企業としての独走、エディオンや、茨城県が地盤のケーズデンキは他社を取り込むことにより躍進しています。家電業界のトップの方が言われるには、過去40年間の歴史の中で、ここ4、5年の変化がそれ以前の35年より何倍も大きいとのことです。

現在、業界トップのヤマダ電機は、1992年度は、売上高363億円でしたが、2005年の3月期には、1兆1,000億円となりました。わずか10年で売上高30倍を記録しています。この間に、強い企業と弱い企業が顕著に表面化してきました。弱い企業は倒産していき、上位寡占化の動きが進んでいったのです。現在家電量販店は全国チェーンの6社(ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、ビッグカメラ、エディオン、コジマ、ケーズデンキ)が、日本の家電量販店の売上高の5割強を占めているといわれています。

ヤマダ電機の山田昇社長は、「近い将来これが3社に集約するのではないか」と言っております。そして「その時の再編のリーダーは我社である」と。ヤマダ電機は他社を侵食する勢いで出店を進めています。現在全国に50店舗出店しており、売上高シェアは14.7%、地元群馬となると40%に上ります。売上高2兆円をめざし、非常に勢いがある企業です。家電部門は、NB(ナショナルブランド)商品が強い業界です。商品の品揃えは量販店ごとに大差はなく、価格やサービスの如何で勝負が決まる業界です。それが弱肉強食の構造を生み出します。

写真:講演会場の様子出店競争、価格競争が激化している中で、上位寡占化が進むのは自然の流れでしょう。家電業界だけではなく、企業の吸収合併は今後進んでいくでしょう。家電業界は日本の流通業界の今後を先取りしているのではないかと思います。近年、海外の流通外資が次々と上陸していることも再編の加速化を促すでしょう。過去に外資は撤退もありましたが、攻勢の手を緩めているわけではありません。日本市場に可能性を見出しています。戦略を着実に立て、様々な形で日本社会に入り込んでくるでしょう。

卸の再編も進む

卸においても合併、再編の流れが進んでいます。医薬品卸と日用品卸の合併、食品卸と酒類卸の合併など業界の垣根を越えた合併が最近のトレンドですが、今後もそれは続くと考えられます。その背景にあるのは、小売業の合併、再編です。卸が、小売業の動きを先取りしている面もあります。IT社会の到来により情報システムが高度化し、物流も革新する等、統合のメリットが非常に高まっています。

小売業の勝ち組は

  • ユニクロはかつての急成長はありませんが、着実に成長、カジュアル衣料のトップを独走しています。
  • 郊外ではしまむらが好調です。新製品を次々と投入し豊富な品揃えであること、安い価格で提供していることが好調な要因です。
  • 99円ショップを展開する九九プラスも好調です。06年3月期は年商1,135億円を見込んでいます。2000年はまだ約50億だったので、急成長ぶりが伺えます。食品と日用雑貨を取り扱っています。

都市型高齢化の現代社会にぴったりマッチした形態を取っていることが成功の理由です。また、現代社会は高齢単身世帯、若者単身世帯、子供がいない夫婦の世帯が半数を占めます。つまり、食品でも何でも「量」は必要がないのです。小分けされた形で売られており価格は安い、自宅から徒歩や自転車にて5、6分で行ける、何がどこに陳列されているか分かる点が消費者に受け入れられています。この条件はコンビニエンスストアーでも全て満たす事は出来ません。
99円ショップは、100円ショップやドラッグストアーに足りない機能を補い、コンビニエンスストアーの良い点をうまく利用した新しい形態だと言えます。

流通業界〜3年ひと昔〜

日本社会は、アメリカ式の弱肉強食型傾向が強くなってきています。個人的には、弱肉強食型は日本人のメンタリティーに合わない部分もあるとは思っているのですが、現在の流れにおいてはそうならざるをえないものです。
流通業界は、3年ひと昔という流れが今後も続いていきます。「技術」「販路」「価格」「ロジスティックス(物流システム)」など、企業は何らかの強みを持っていかなければなりません。

以上

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