焼酎紀行～本格焼酎＆泡盛試飲フェスタin東京報告～




	近年、酒類全体の伸びが低迷する中で焼酎の伸び、いわゆる“焼酎ブーム”には目覚しいものがあります。（注図1参照）それに伴い2003年11月頃から、大手レギュラー商品までもが品切れするという状況でありましたが、そこには不安要素があります。特に甲類市場の関東圏からの引きが異常なのですが、結局、甲類焼酎の飲み方がそのまま乙類焼酎に移行している状況になっています。芋焼酎を甲類感覚でジュースを入れて梅干を入れて割って飲むのであれば、芋焼酎でなくてもいいと思います。本来とは違う飲み方で本格焼酎乙類の販売が伸びています。このような浮ついた形での焼酎ブームは間違いなく崩れると考えています。　焼酎乙類の本来の持ち味を引き出す飲み方の普及を卸、小売の責任でしなければ、愛飲層は広がらないと考えます。本来の飲み方、また蔵元の正確な情報をお得意先、消費者にまで伝えるべきですが、その手段は実に少ないので、当社では「焼酎紀行」のホームページでご紹介していきたいと考えています。　当社は1996年、蔵元の顔が見える強み、焼酎のメッカである九州の地場企業だから出来る本格焼酎の商材育成でオンリーワンを目指す方針を打ち出しましたが、その年から8年間、“焼酎会議” を毎月、半日の時間を割き開いています。担当者が九州の蔵元を回り持ち帰った商品を試飲吟味し、販売施策を決定する。蔵元・売り場の現場情報を共有する上でも欠かせないものであります。　現在、蔵元には「異常な出荷を修整していこう」とお願いしています。発注に即応では結局、年間を通じお客様に焼酎をお届けすることが難しくなります。あくまで継続販売が基本で、ブームで終わらせないことが重要だと考えております。　供給が少ない焼酎を、こだわり焼酎として高く売るのではなく、あくまで、“ダレヤメ（晩酌）”で飲めるのが焼酎というのが当社のスタンスであります。実際、こだわりには何ら基準がないし、むしろ蔵元の想いの方を大切にしたいと考えております。一部の幻ブランドが市場を引っ張ったのは確かですが、これだけ市場が膨らんだのは、各原料カテゴリーのトップメーカーがレギュラー商品で価格競争や増量に走っていないから。レギュラー酒の品質アップを常に基本とし切磋琢磨していくことが、焼酎をブームで終わらせない為には重要だと考えております。