鹿児島県産のさつまいもを100%使用し、南薩摩で造られた本格焼酎であることを証明する統一マークを付けた商品が、今年1月から本格的に上市されそうだ。昨年11月1日付で、「南薩摩・本格いも焼酎表示規約」が施行したことによるもので、原料芋と製造地域を総括した原産地呼称が制度として初めて動き出すことになる。
参加メーカーは、規約で定める「南薩摩」=知覧・指宿税務署管内地域にある全16社(19製造場)。
1.目的
◎薩摩焼酎の伝統性と風土性の重要性の認識を共有する南薩摩の本格焼酎製造者が、原料、製法、表示に関する統一基準を定め、情報を開示することにより、一般消費者ならびに流通関係者の薩摩焼酎への信頼に応え、その適正な商品選択に貢する。
2.原料・製法について
◎米こうじ又は芋こうじと鹿児島県産さつまいも、鹿児島県内の水を原料として発酵させたもろみを、南薩摩において単式蒸留機で蒸留し、かつ容器詰めされた本格焼酎であり、水以外の添加物を一切含まないもの。(南薩摩の自社工場で製造した焼酎を、他地域の県内自社工場で詰める場合は、その表示を認める。)
3.表示について
◎表示使用のためには、個別商品ごとに許可証の取得が必要。基本的には自己申告による申請で、これを参加者が加盟する知覧・指宿酒造組合が推薦した6人の委員で構成する認証委員会が受け、許可証を発行する。認証の有効期限はないが、認証委では許可済みの条件に対し年に1度、適否を再検討し、疑義が生じた場合には調査し、規約違反者には許可取り消しを命じるとしている。
◎表示許可商品には、南薩摩のシンボル・開聞岳、鹿児島県の地形をパターン化しデザインした統 一マークを使用することができるが、表示の有無は各社の判断にゆだね、強制はしない。
4.施行の背景
◎消費者の誤認の解消という意図とともに、芋焼酎の価値である風土性を強化・アピールすることでアイデンティティーの確立を目指していく。
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