焼酎ニュース
「サツマイモ不足続く芋焼酎事情」: (2005/1/28)

芋焼酎の原料となるサツマイモ不足は、今年も続いているようです。
2004年は相次ぐ台風の襲来で収穫量は予定よりも下回りました。一方、芋焼酎の本場、鹿児島県・宮崎県の蔵元の中には増産体制をとっている所もあります。サツマイモ不足は否めません。

鹿児島・宮崎地区の、焼酎向け芋生産量を比較すると、2000〜2002年度の3年間、宮崎県では1万2千〜3千トンとほぼ横ばいでした。

焼酎の原料となる芋、黄金千貫(コガネセンガン)  

鹿児島県では、5万5千トンから6万5千トンへと増えたのですが、それでも原料が足りず中国産芋の輸入増加につながりました。そして2003年度には、鹿児島県の生産量はさらに増加し、約8万2千トンもの生産量となりました。しかし実際の2003年度・県内の芋焼酎の生産量は7万8千キロリットル(=一升瓶(1.8L)換算で4300万本。)
芋焼酎には一升瓶あたり、約2キログラムの芋が必要とされており、単純計算ではありますが4300万本=8万6千トンの芋が必要ということになります。

芋の需要と供給は現在でもバランスが取れていません。宮崎県のメーカーの中には鹿児島の芋を買い求める動きが昨年以降、さらに広がっています。

そんな中、焼酎メーカーには原料の輸入をどう捉えるかという問題が起きています。一つの見解として「県産の芋が不足している現在、中国産の芋を使う事も一案である。ただし、使った旨の情報公開はすべきであり、情報を公開しない事こそが問題である。」と言われています。

約40年前、鹿児島県のサツマイモ作付面積はピークでした。しかし現在では農家の高齢化が進み、作付面積の拡大は簡単には見込めそうにありません。とはいえ、鹿児島県の農業と芋焼酎の生産は密接な関係にあり、ひいては鹿児島経済の一手も担っています。官民一体となって芋を安定的に供給出来る体制作りが求められています。