焼酎ニュース
「焼酎かすにがん抑制効果」: (2005/3/17)

本格焼酎の生産が拡大する中で、廃棄物の焼酎かすをどう処理するかが問題になっています。

そんな中、崇城大学(熊本市)応用生命科学科の上岡龍一教授は、焼酎かすにがん細胞の増殖を抑制する効果があることを発見しました。

人のがん細胞をシャーレで培養させたものに、焼酎かすの上澄み液を凍結乾燥処理させたものを投与したところ、何も投与しない場合に比べて、麦と米の焼酎かすにはがん細胞の増殖を9割以上抑える効果があることを確認。また、動物実験の結果、副作用もありませんでした。

また、上岡教授らの研究グループは、麦焼酎かすがシミやそばかすの原因となるメラニンを抑える働きを持つことも確認。美白効果があるとして、今後化粧品などへの活用をめざしていきます。

研究グループはこれまでに焼酎会社などと共同で大学発ベンチャーとして「健康医学研究所」を設立。現在、麦焼酎かすを使った健康ドリンクも販売しています。

雲海酒造での焼酎かすリサイクル設備  
一方、焼酎メーカーでは、宮崎県の雲海酒造が、焼酎かすを、家畜の飼料や農作物の肥料へとリサイクルする取組を行っており、業界内でも焼酎かすの有効利用を探っています。

焼酎かすの医療現場、健康食品への応用は、今後も研究・開発の余地がありそうです。