自民党税制調査会は、沖縄県内で生産・消費される「泡盛」などの酒税について、本土より低い軽減税率を、さらに5年間延長することを決めました。
税率は泡盛で35%、ビールで20%低く設定されます。軽減税率は、本土復帰前、沖縄では酒税が本土より低かったため、激変緩和措置として県内に出荷される酒類を対象に導入されました。 この制度は、沖縄が本土に復帰した1972年に5年間の時限措置として始まり、これまでに6回に渡り延長されてきました。
財務省は、軽減税措置の廃止を主張していましたが、米軍基地問題など沖縄が抱える問題に引き続き配慮が必要との政治判断から、このたびの措置延長が決定しました。
前回、2002年の延長後、泡盛業界は軽減税廃止に備え、本土への出荷拡大など体質強化を図りましたが、芋焼酎ブームなどの余波で出荷量は思うように伸びていないのが実情です。 「軽減税措置が廃止されると、消費者に負担を求めざるをえない」との理由で地元業界は政府に対して措置廃止の反対を主張。県内消費や観光客相手の売上に悪影響が出ることが懸念されていました。
2012年までは、軽減税措置によって県内の価格が保護されることになった泡盛業界。とはいえ、ブランドの育成、また業界全体の自立に向けて今後も努力が求められることに変わりはありません。
■酒税軽減措置とは? 1972年の本土復帰に伴い、制度改革による個人や企業への影響を抑えるために導入された復帰特別措置法に基づいたもの。期限は原則5年。県内で販売される県産酒類の酒税が泡盛で35%、ビールで20%軽減される。県外出荷の場合は適用されない。2005年度の軽減額は全体で39億7,400万円、泡盛で21億4,000万円。
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