お蔵探訪記
研醸株式会社

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井上 茂康( いのうえ しげやす)様
研醸株式会社 代表取締役

笑顔が素敵な代表取締役、井上様にお話を伺いました。
井上様は、研醸の共同出資会社である清酒蔵、井上合名会社の代表取締役も兼務されていらっしゃいます。

社名の由来
  社名である「研醸」は変わった名前ですが、何か意味があるのですか?
「はい。社名の「研醸」は日々「研」究を重ね、「醸」造する酒造りを目指したいという想いから、名付けたんですよ。
『地道な作業をコツコツと続ける事で、良いものが生まれる』。当たり前の事ではありますが、そういった酒造りに対する真っ直ぐな想いが込められています。 研醸を創設して約24年になりますが、この想いは当時から変わらずに、我が社の社風として根付いています。」


代表取締役 井上様
人参焼酎の誕生
 

研醸の商品の特徴といえば何と言っても人参を原料とした商品の数々!原料に人参を起用された経緯をお聞かせ下さい。
「昔、三井郡の大刀洗町と北野町地区では盛んに人参が栽培されていました。しかし当時は栽培が難しく、収穫時にひびが入ったり、曲がったものは規格外商品として処理されていたんです。皆さんご存知のように、人参にはビタミンAやカロチンが豊富に含まれており、栄養価が非常に高い野菜です。捨てるのはもったいない、有効利用ができないかという農家の悩みがありました。そんな中、昭和56年に地元の農業高校教師で発酵の研究をされていた故・田中米実先生より、人参は多くの糖質を含み、発酵を活性化する特性があるという事を教わりました。
そこで、合名会社山口酒造場と井上合名会社が共同で研究・開発を進め、焼酎として商品化する事に決定したのです。二年後の昭和58年6月、両社の共同出資により、研醸株式会社が誕生。人参焼酎『珍(めずらし)』を開発し、販売を開始しました。」

研醸の人参焼酎・人参リキュール
商品のネーミング
 

研醸では、一風変わったユニークな名前の銘柄が多く、目を引きますが・・・
「商品のネーミングは、社内公募により命名しているんですよ。消費者の方々が覚えやすく、思わず手にしたくなるような印象に残るものを考えます。例えば、米焼酎『千年寝坊助』は、焼酎は寝かせる程柔らかな味を醸し出し、ますます美味しさが増すという点から名づけました。大切な記念日に呑む時に、寝かせていた焼酎を目覚めさせて下さいというコンセプトなんです。
人参焼酎『朱の音(あかのね)』は、仕込みをする時、人参が持つ豊富な栄養素で酵母が元気づき、発酵中の朱色の泡が音を発して弾けます。これを元にネーミングしました。シンプルですが、「朱」という文字が人参をイメージさせています。私たちの商品に皆さんが愛着を持って頂けたら嬉しいですね。」

米焼酎「千年寝坊助」と人参焼酎「朱の音」
焙煎麦の秘密
 

原料として使用される焙煎麦の特徴は?
「麦を焙煎すると、自然な麦の甘味と焙煎の香ばしさを漂わせる旨味が醸し出されます。また、煎る事によって麦の周りに含まれている二日酔いの原因となる脂肪分が取り除かれ、酔いざめ爽やかな焼酎に仕上がるんですよ。
焙煎麦は発酵作用が活発でないので、作業に手間が掛かります。発酵を促す為に、一次発酵と二次発酵で、普通大麦と焙煎麦を数回に分けて仕込んでいます。配合の度合いはとても重要ですので、企業秘密です!」

井上様
                                                    
焼酎ブームと消費者嗜好の変化

焙煎麦焼酎造りに着手する前は、麦焼酎を製造する蔵への見学を何度も重ねたという井上様。製品化するまで、様々な苦難がありました・・・
「麦焼酎の製造を考えていた時はちょうど1970年代後半、焼酎の第一次ブーム期に当たります。どの蔵元でも悩みの種だったのは、仕込み時に麦から出る特有の油「フーゼル油」でした。浮いた油を完全に除去するのは難しく、残ると焼酎の品質が低下してしまいます。フーゼル油を何とかして減らせないかと考慮した結果、焙煎するという製法を発案したのです。何度も改良を重ね、生産・販売に至りました。
製品化したのは1980年代後半。当初は第二次ブームと言われます。酎ハイやサワーなどのベースとして焼酎が使われ、ライトな感覚が支持を受けていました。そのような中では、焙煎独特の香ばしい風味は一般に受け入れられなかったんです。当時は極力風味を抑制する造りを目指しましたが最近では原料の風味を生かした焼酎が好まれるようになっています。これを機に、焙煎麦の特徴を活かした風味に改良しました。」




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