お蔵探訪記
株式会社篠崎

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黒瀬 弘康( くろせ ひろやす)さん
株式会社篠崎 製造部課長
 この道22年のベテラン、製造部課長の黒瀬さんにお話を伺いました。
酒造りは面白い!

熊本県出身の黒瀬さんは平成18年に篠崎へ入社されてまだ1年。製造全般を管理し、社員教育にも力を入れています。酒造りの魅力とは?
「酒造りの面白さは、自分が目標とする酒質になかなか届かないところですね。これまで岐阜・三重の清酒蔵、宮崎の焼酎蔵で酒造りに携わってきました。清酒杜氏歴は10年、焼酎杜氏歴は7年あります。これらの経験から言えるのは、「その土地の風土に合ったそれぞれの酒造りがある」という事です。同じ製法で造っても、地域が変われば必ずしもそのお酒が旨いとは限りません。その地域の文化や風土に合わなければ旨いお酒とは言えないのです。一般消費者に好まれる旨いお酒を造りたいのであれば、まずその土地について知る事から始まります。」
現在、福岡県ひいては九州の料理により一層合う酒造りを考えているとのこと。好奇心旺盛で研究熱心な様子が伺えます。今後どのようなお酒が篠崎から誕生するのでしょうか。黒瀬さんのこれからのご活躍が期待されます!

黒瀬さん
木樽長期貯蔵焼酎の魅力に迫る
  篠崎では樽長期熟成焼酎が数多く製造されています。樽長期熟成の特徴は何ですか?
本格焼酎本来の味わいが樽貯蔵によって熟成され、コクと旨みが増し深い味わいになるのが特徴です。魅力は何といっても、まろやかな舌触りと香り高い風味ですね。樽が醸し出すバニラ香や琥珀色はウィスキーのように芳醇な風味を生み出します。
代表銘柄の一つでもある『雅の刻』は極めて上質なモルトウィスキータイプです。熟成の樽には樫樽、バーボン樽、シェリー樽などを使用しているんですよ。減圧蒸留で仕上げた麦焼酎と、樫樽に入れて貯蔵熟成した常圧蒸留の麦焼酎モルト(原酒)をブレンドしています。これは樽それぞれで熟成度合いが異なるので、度合いを調整する為なんです。ブレンドした後さらに樽熟成させる大変手の込んだ製法なんですよ。」

篠崎の熟成焼酎は『ウィスキーを凌駕する樫樽長期熟成の麦焼酎』、『究極のJAPANESE SPIRITS』などの表現で広くPRされ、国内外において高い評価を得ています。 試飲をして、なるほど呑んで納得の素晴らしい味わい!まさに「百聞は一見に如かず」が如く、「百聞は一飲に如かず」という印象を受けました。

篠崎の樽貯蔵庫
「人」が商品を造る
 

篠崎では70歳代のベテランから学卒ほやほやの20歳代まで、幅広い年齢層の方々が従事されていますね。
「当社では社員50名のうち30名が蔵で製造に従事しています。年齢層が違うからといって特別に指導法を変えたりはしていません。モノを造る企業では「商品」が最も大事な"資源"ですが、その商品を造るのは"人"です。人をどう活かすかによって商品の質は大きく左右されます。人材育成はモノ造りの原点ですからね。特に原料や製造法が厳正に管理される酒造りにおいては最も重視されるべき点だと思います。当社は昔、社長が林業を経験している事もあり、人材は5〜10年先の展望をもって育てていくという方針が根付いているのです。
人材育成において特に力を入れているのは、衛生管理面の指導です。当社では蔵内での整理整頓を徹底させています。従業員一人一人に毎日の清掃を課しているんです!より良い環境はより良い商品造りの第一基盤となります。蔵に入ってお酒を造る以前の、基本的な姿勢から実践しています。」

蔵の方々
庶民に愛される酒造りを!
 

昨今の焼酎事情をどのように捉えていますか?
「数年前まで高まりを見せた焼酎ブームは、一先ず落ち着いたと思います。以前は希少価値のあるプレミア商品の需要が高く、酒造りに至っては品評会重視の傾向が少なからずありました。しかし、本来お酒は飾るものでも特別な日にだけ楽しむものでもありません。デーリーユースできる商品でなければならないものです。私達は『消費者の方々が気軽に手に出来る適正価格の商品』、かつ『日常の食事と一緒に楽しんで呑めるお酒』を造りたいと考えています。
今後の酒類市場では、一般消費者から支持される本当に良い商品だけが生き残るでしょう。その為にも、これまで通り品質にこだわったもの造りを続けていきたいと日々奮闘しています。」

数々のコンクールで受賞し品格のある焼酎を造っておられる篠崎ですが、消費者の目線に立った酒造りに懸命に取組んでいらっしゃいます。焼酎が昔から愛飲され続けてきた背景には、「庶民の酒」として日常生活に親しまれてきた歴史があります。
焼酎の醍醐味とは何かを理解した上で、一切妥協のない品質を追求し続ける姿勢が感じられました。

黒瀬さん
                                                    

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