小牧醸造株式会社

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大牟禮 良行(おおむれ よしゆき)さん
大海酒造 杜氏

1980年に大海酒造協業組合に入社、1998年に杜氏を任された大牟禮杜氏。黒瀬杜氏(明治初年に薩摩半島南西部海沿いの町、鹿児島県川辺郡笠沙町黒瀬の地に生まれた焼酎技能集団)のもとで18年間修行を積み焼酎造りを学んだそうです。(意外な事に入社した頃は全くお酒が飲めなかったそうです。)「焼酎造りに取組む姿勢というものを学ばせて頂きました。相手は生き物ですのでいつも真摯に向き合って心を込めて付き合っていくという事と、自然が相手ですので、一人でバタバタせずに蔵の皆と協力して造るという事・・・この事は常に念頭において造っています。」
「最初は冗談かと思いました。」と当時の心境を語る大牟禮杜氏。「一年目の造りが終り翌年に鑑評会の表彰式に出席しました。表彰式の前に利酒会があるのですが、他の人より会場に早く行って、その年の最高点の焼酎を飲んで『あーこんな焼酎が今、巷で評価を受けているんだ』って思って、二年目は、その味と香りを忘れないようにして造りに入りました。その結果が鹿児島県本格焼酎鑑評会で最優等賞だったものですからとても嬉しかったですね。」杜氏歴2年、当時46歳という若さでの受賞は周囲をたいへん驚かせたものでした。

そんな大牟禮杜氏が造りにおいて最も大切にしている事は、蔵の皆の「和」だという。「皆が同じ気持ちで仕事をすればきっといい焼酎ができると信じています。」造りが始まったら約2ヶ月間蔵に泊り込んでの作業が続く。徹底的に造りに没頭する為である。その間の一日のスケジュールは、

  5時45分起床=1次もろみの温度管理「櫂入れ」等、2次もろみの3次送り。
7時=朝食。
8時〜=出麹、またそれに対する分析、芋仕込み、芋洗い、洗米 。
午後
  1時〜=麹米の蒸し、盛り込み、蒸米の水分測定、芋仕込み、芋洗い、蒸留前のもろみの分析。
5時=食事。
6時以降9時までもろみの状態に応じて1次もろみの櫂入れ 。
9時終了 。
夜中
  1時〜=1次もろみの櫂入れ及び2次もろみの管理。

これを毎日行なう。泊り込んで仕事をするのは一人ではなく、蔵で働くメンバーも毎日一人ずつ交代で当直をしてもらい、夜中も一緒に作業をするそうだ。「食事をする時に焼酎の造りについての話や自分の造りに対する気持ちを話します。そうすることで『和』が生まれ良い焼酎が出来ると思います。」毎日2〜3時間の睡眠で焼酎造りと向き合わなければならない。それに皆さんの協力があってこそ出来るものなのですね。

「自然が相手ですので、長雨の為芋が入荷出来なかったり、台風が来たりして、仕込みが出来ず麹の払いを休まなくてはいけない時ですね。」
  「新焼酎が出来上がり皆と飲む時です。」今年の焼酎の出来は「スタート時に良い米に出会えて、一時醪がとても良い状態で出来上がりました。それを最後まで持続できたので自分なりには満足しています。」とのこと。楽しみです。
  大牟禮杜氏はは誰もが認める程研究心旺盛な方である。毎年どこからか珍しい麹や酵母、芋を見つけてきては新しい完成を生かした様々なタイプの焼酎を試作しているそうだ。焼酎の飲み方についても研究中だそうで「私は焼酎を造る時に、この焼酎はロックで、この焼酎はお湯割で、というように麹や酵母を変え、又蒸留も変えています、ですので今後は営業とも密に連絡して焼酎の飲み方の案内をやっていこうと思っています。」とのこと。
  今まで軽い、女性に飲みやすいフルーティな味と香りの焼酎にこだわっていたそうです。しかし今後は「香りの高いどっしりとした味わいのある焼酎も手がけていきたい」と、積極的に研究に取組んでいます。誰も飲んだことのないようなタイプの芋焼酎が商品化されるのもそう遠くないことでしょう。
 

「私が焼酎の一ファンであったなら、焼酎は飲めば飲むほどはまってしまう、そんな魅力があるように感じます。現在焼酎ブームと言われている中、今、焼酎を飲んでいる人は、決して一過性のものではなく、いつまでも飲んで頂けるものだと思います。これからも地元の方にはもちろん、鹿児島県外の芋焼酎初心者の方にも上級者の方にも気に入っていただけるような芋食風作りを目指していきたいと思います。
私達の蔵では皆で楽しく焼酎造りにいそしんでおります。モノ造りというものは、結果は後からついてくるものであり、大事なのは過程だと思います。今後とも宜しくお願い致します。」



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