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酒類業界のベテラン、杜氏の市囿さんにお話を伺いました。 | ||
市囿さんは大手酒類メーカーでの勤務経験があるとのこと。 |
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種子島酒造は自社農園を所有していることでも有名ですね。 「自社農園をスタートしたのは12年前のことです。それまで地元の契約農家から芋を仕入れて製造していましたが、種子島の風土を活かして自分達の手で原料芋を作りたい!しかし農業に関する経験、ノウハウが全くない。当初は小さい芋や質の悪い芋ばかりでした。農園栽培を開始して2、3年後には中断しようと考えた事もありましたが、現会長(曽木氏)の負けず嫌いな性格もあり、チャレンジしたい一心でとことん試行錯誤を重ねました。現在では良質の芋が安定的に年間約1,200トンを収穫できるまでになりました。 焼酎には絶対不可欠な良質な原料を自社で調達できるのは、当社にとって非常に大きな強みです!自分達が納得のいく芋で造った旨い焼酎ですと、全国どこへ行っても自信を持って紹介できます!」 |
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ずばり、種子島で焼酎を造り続ける魅力とは何ですか? |
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今日の焼酎を取り巻く環境についてどう捉えていますか? 「近年は消費者の嗜好が大きく変化しているのを感じます。数年前の焼酎ブーム期には、「焼酎」というだけでどんな物でもよく売れ、喜んで飲まれる風潮がありました。酒類業界では製造機械の発達により合理的な大量生産が可能となりましたが、最近では手の込んだ造りのものを評価し、焼酎としての魅力を見出そうとする傾向があります。 また今日騒がれている食品偽装問題により、食の安全に対する消費者の目は驚くまでに厳しくなりました。各焼酎メーカーは伝統的な製法に立ち返ったり、原料へのこだわりをPRするなどして、消費者のニーズに応えようと動き出しています。自社の造りに満足し切っていては駄目なんですね。消費者の"声"に耳を傾けた変化が求められています。」 |