お蔵探訪記
種子島酒造株式会社

お蔵紹介お蔵探訪焼酎びと商品ラインナップ焼酎紀行より


 
市囿 清次 ( いちぞの せいじ)さん
種子島酒造造株式会社 杜氏、工場長
酒類業界のベテラン、杜氏の市囿さんにお話を伺いました。
この道の大ベテラン!

市囿さんは大手酒類メーカーでの勤務経験があるとのこと。
「これまで焼酎造りに27年、洋酒造りに10年、また研究職にも6年携わってきました。種子島酒造に入社して2年になります。これまでに焼酎以外にウィスキーなどの製造や様々な酒造りのノウハウが大変役に立っています。
私たち製造者は、熟成・蒸留歩合、もろみ数量、アルコール数値など、徹底して酒質管理をしています。しかし最終的には杜氏の経験や研ぎ澄まされた感覚で吟味されています。杜氏は常に五感を利かせて造りに携わっているんですよ。その節々の判断によって全く違う味に仕上がったりもする。私にとってこれほど面白い仕事はありません。まさに天職です!

市囿工場長
経験ゼロからスタートした自社農園栽培
  種子島酒造は自社農園を所有していることでも有名ですね。
「自社農園をスタートしたのは12年前のことです。それまで地元の契約農家から芋を仕入れて製造していましたが、種子島の風土を活かして自分達の手で原料芋を作りたい!しかし農業に関する経験、ノウハウが全くない。当初は小さい芋や質の悪い芋ばかりでした。農園栽培を開始して2、3年後には中断しようと考えた事もありましたが、現会長(曽木氏)の負けず嫌いな性格もあり、チャレンジしたい一心でとことん試行錯誤を重ねました。現在では良質の芋が安定的に年間約1,200トンを収穫できるまでになりました。
焼酎には絶対不可欠な良質な原料を自社で調達できるのは、当社にとって非常に大きな強みです!自分達が納得のいく芋で造った旨い焼酎ですと、全国どこへ行っても自信を持って紹介できます!」


自社農園
焼酎造りにおける種子島の魅力
 

ずばり、種子島で焼酎を造り続ける魅力とは何ですか?
「意外に地元の方々は認識されていないようですが、種子島は良質な水源地なんです。焼酎には原料もさることながら、水が命!当社は「岳之田湧水」を仕込み水として使用しています。これは約3,000年前の古第三紀層の地底300メートルから汲み出した天然深層地下水です。鉄分の少ない軟水で、焼酎に最適な水なんですよ。
また種子島の土壌はミネラル分が豊富で農作物の栽培に最高の環境!そのうえ島全体が平らな地形をしているため、日照時間が長く芋の栽培にも好条件。我々のような焼酎製造者からすると、ここ種子島は地理的にも環境的にも非常に魅力的なところ。まさに"宝の島"なんです!

芋の収穫の様子
消費者の“声”に応えたい
  今日の焼酎を取り巻く環境についてどう捉えていますか?
「近年は消費者の嗜好が大きく変化しているのを感じます。数年前の焼酎ブーム期には、「焼酎」というだけでどんな物でもよく売れ、喜んで飲まれる風潮がありました。酒類業界では製造機械の発達により合理的な大量生産が可能となりましたが、最近では手の込んだ造りのものを評価し、焼酎としての魅力を見出そうとする傾向があります。
また今日騒がれている食品偽装問題により、食の安全に対する消費者の目は驚くまでに厳しくなりました。各焼酎メーカーは伝統的な製法に立ち返ったり、原料へのこだわりをPRするなどして、消費者のニーズに応えようと動き出しています。自社の造りに満足し切っていては駄目なんですね。消費者の"声"に耳を傾けた変化が求められています。」
蒸した芋をチェックする工場長
                                                    

お蔵紹介
お蔵探訪
焼酎びと
商品ラインナップ
焼酎紀行より

© 2002 YAMAEHISANO Co.,Ltd.