創業当時からある旧工場は今は大手門蔵として、樽そして甕を貯蔵しています。この中の土に埋められた甕の中には、30年以上の大古酒が眠っています。現在繊月酒造でこの貯蔵古酒の在庫量が格段に多いのは、三代目杜氏淋豊嘉(そそぎとよか)氏の先見の明があったればこそだったそうです。焼酎におけるヤマハイ仕込み(酵母を用いず自然発酵を待つ最も原始的な造り)を実践し、その中の特に上質な原酒を甕に貯蔵し続け「自分の生存中はまだまだ製品化するには早すぎる」と、この古酒は製品化しないまま他界してしまったそうです。焼酎造りへのこの頑なな信念は、今も尚、脈々と受け継がれています。
毎年繊月酒造は、工場敷地内で「繊月祭り」を開催しています。社員の方とボランティアの方の手作りのお祭りで、人吉の祭りとして欠かすことが出来ない祭りとなっています。毎年様々なイベントが行われ、焼酎の試飲はもちろん、バザーでは地域の特産物が販売されます。毎年約5,000人の人で賑わいます。お祭りの売り上げはすべて市内の小学校に寄付されています。地域とより強い絆で結ばれているのです。