お蔵探訪記
高橋酒造株式会社

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藤本 一見 ( ふじもと かずみ)さん
高橋酒造株式会社 多良木工場 製造部一課長
高橋酒造では4代目の杜氏となる、製造責任者の藤本さんにお話を伺いました。
キーワードは品質の維持

焼酎業界での経験が長いベテランの藤本さん。製造する上で苦労することは何ですか?
「焼酎造りの世界に足を踏み入れたのは28年前。当時は厳しく仕込まれたものです。最初は技術を覚えるのに無我夢中でした。以来、様々な工程を経験しながら焼酎造り一筋の毎日です。7年前に前杜氏の後を継ぎ、現職に就きました。造りの伝統を守るという責任を感じ、身が引き締まる日々です。
焼酎造りに大切なのは品質を維持すること。言葉では簡単ですがこれを守るために日々神経を尖らせています。当社のように複数の工場を持ち大量に製造する中では、味を均一化するのも一苦労です。全国の方々に愛飲して頂いているからこそ、ファンの期待を裏切らない焼酎を造りを続けなければと思っています。」

藤本製造部一課長
球磨焼酎の進化の歴史
  熊本県を代表する球磨焼酎。どのように発展してきたのですか?
「球磨焼酎の製造法は、良質の人吉米から造った米もろみをそのまま単式蒸留機にかける伝統的な方法です。大正時代には、原料の米が玄米から白米に変わり、さらに「二段仕込み」製法が取り入れられました。まず、麹、米、水で一次もろみを造り、これに大量の米、水、酵母を加えて二次もろみを造るというやり方です。同時に蒸留機の改良なども進み、生産効率は大きく向上しました。
しかし球磨焼酎の人気に拍車が掛かったのは1980年に入ってから。その火付け役となったのが近年登場した「減圧蒸留法」。蒸留機中の空気を真空ポンプで減圧し、もろみを低温で蒸留する方法です。焼酎特有の臭いや雑味の成分を抑えた米焼酎の製造が可能となりました。当社は球磨焼酎の中でも、いち早く減圧蒸留処置を取り入れました。米焼酎本来の深い味わいはそのままに、口当たりがまろやかな焼酎に仕上がるようになりました。」

高橋酒造の蒸留機
球磨焼酎のトップブランド『白岳』が愛される所以
 

『白岳』が米焼酎の中で高いシェアを占めていることについてどう思われますか?
「これだけ全国で広く飲まれるのは大変有り難い事です。やはり飲み易い芳醇な香りソフトな味わいという特徴が受け入れられたのだと思います。球磨焼酎を代表するトップブランドとして、『白岳』、『白岳しろ』が美味しいのは当たり前。常に上を目指すことが造り手には求められます。満足してしまったら、成長はありません。旨いものを造りたいという一途な気持ちが大切です。
また、当社は既に製品を世界17カ国に輸出しています。米を原料にするお酒といえば世界的に"清酒"というイメージが強いですが、今後どう"焼酎"をPRしていくかが新たな課題です。」

出荷に向けて
米焼酎トップメーカーとしての今後
 

高橋酒造は米焼酎の牽引役として市場をリードされています。今後の抱負をお聞かせ下さい。
「米焼酎の市場は安定しているように見えます。しかし全般的に見ると、球磨焼酎の全国市場への進出はまだ不足していると言われています。依然として芋焼酎が大きなシェアを占める中、球磨焼酎ひいては米焼酎が全国で市民権を獲得していけるよう、広くPRに努めて行きたいと思います。」

藤本製造部一課長
                                                    

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