お蔵探訪記
株式会社壱岐の華

お蔵紹介 お蔵探訪焼酎びと 商品ラインナップ焼酎紀行より

 
長田 浩義  (ながた ひろよし)さん

株式会社壱岐の華 4代目代表取締役兼、杜氏。
東京の大学を卒業後、家業の焼酎造りを4年間手伝われ、その後再び上京。醸造研究所にて半年間醸造学を学んだのち、杜氏の道へと進まれました。

焼酎に対する愛情

焼酎造りの工程管理を徹底する為に蔵の一部を改造して住居にしたそうです。「一つ屋根の下で麹やもろみと寝起きを共にしています。仕込みの時は夜目が覚めてしまい、ついつい様子を見に行ってしまいます。と長田社長。愛情と手間をかけてこそ、より美味しい焼酎が出来上がるのでしょうね。

長田社長
安心安全な焼酎を求めて〜設備と原料〜
 

平成12年の蔵全面改装から約9年が経ち、新しく瓶詰めラインのあるフィラー室を設置。オレンジ色の特殊フィルムが防虫の役割を果たしています。「安心・安全が叫ばれる昨今、私たちが精魂込めて造った焼酎をお客様においしく安全に飲んで頂きたい。この瓶詰め用機械室を設置することで異物混入を徹底して防いでいます。」

消費者の立場で商品供給をすることを常に念頭に置いている、社長の真摯な姿勢を伺う事ができます。


フィラー室
こだわりの常圧蒸留

「大麦と米麹の原料の風味を活かし、深い味わいを追求する為、長年常圧蒸留と熟成にこだわり続けてきました。そのため、蒸留器は常圧専用のものを使用しています。常圧蒸留は焼酎の香味を形成する多くの成分を含み、壱岐の天然地下水を加え2年間熟成することによって焼酎の成分と水の分子が静かに融合され、和みのある旨味を醸し出します。」壱岐の華独特の個性的な味わいは、このような確固とした理由により誕生したんですね。

常圧蒸留とは?
普通にやかんでお湯を沸かすように、釜内のもろみに蒸気を当てて90〜100℃になるまで加熱します。蒸留中に沸点の高い成分等が抽出され、原料特有のコク、旨み、芳醇で豊かな風味が色濃く残り、原料の香りが十分に楽しめます。昔から行われている伝統的な方法です。

常圧タンク
流行も察知する鋭い視野

壱岐の華の商品の一つに「昭和仕込」という商品がありますが、この商品が誕生したきっかけを教えてください。「最近、“昭和レトロ”をテーマにした居酒屋が増えています。このテーマにあった商品を造るため、昭和27、28年頃以来の復活を遂げた壱岐産のたばる麦を使用し、その頃の焼酎の味を再現しました。甘みやコクがあり、麦の香りが一層際立つまろやかな味わいです。お客様がこの商品を飲んで、壱岐焼酎を知ってもらうきっかけになればと思います。」伝統を守りつつも広い視野を持って市場に合った商品を造り出すところに、社長のビジネスチャンスを狙う意気込みが感じられます。


長田社長


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