宗政酒造の麦焼酎には、佐賀県産の二条大麦が使用されています。
「原料に着目した場合、例えば芋は"鹿児島県で作られて焼酎になった"とイメージすることが出来ますが、麦も"佐賀の平野で作られて焼酎になった"とイメージされるように変えていきたいという思いから佐賀県の麦を使っています。」
大分の麦焼酎や壱岐の麦焼酎とは違う『佐賀の麦焼酎』というものを定着させたいのだそうです。

「当社の焼酎造りの前提には、『お客さんにいかに喜んでいただけるか』という思いがありますので、どのような焼酎が好んで飲まれるかということを常に考えています。
より多くの人においしいと言っていただけるような旨みとキレのある焼酎を提供していきたいと考えています。」

「杜氏の存在意義は、お客さんの期待に応えることだと思います。お客さんにおいしいと言っていただくことによって社会の一員として認められるんです。」
それでも、すべてのお客さんに満足していただくのは非常に難しいのだそうです。
「最近、お客さんの層が多様化しつつあり味の好みも人それぞれなので、日々研究を重ねているところです。」

「同じ原料を使い同じように造っても、全く同じ味にするのは非常に難しいことです。」
お客さんに喜ばれる商品を造るという思いを皆が根底に持っていないと良いものは出来ないと大古場さんは言います。
造りに携わるすべての人間が気持ちをひとつにしたときに結果が生まれるのだそうです。

大古場さんは、今焼酎が支持されているのは日本人の食生活が大きく変化したことに原因があると考えています。
「日本酒は日本料理や刺身などに合いますが、焼酎はどんな料理にも合います。
日本人の食生活が多様化した今、焼酎のその特性が広く受け入れられているんですね。」

大古場さんご自身の好きな飲み方について伺いました。
「夏場はロックで、今はお湯割で飲んでいます。毎日嫁さんに作ってもらって晩酌をしています。『父ちゃん、一日ご苦労さん。はい、飲みなさいよ。』と言われると、今日も一日頑張ったな、また明日も頑張ろう、と思えるんです。」

「佐賀県産の原料麦と米を使い、食の安全にこだわって焼酎造りをしています。
良い原料を農家の方が作ってくれています。
素朴で人の気持ちが入っとる焼酎なので、全国の方に飲んでいただき、佐賀県の良いところを全国に知っていただければうれしいですね。」