サツマイモ(鹿児島では「から芋」と言います。)を主原料とした焼酎の代表格。
穀類に比べ、でんぷんの含有物が少なく水分が多い為、長期保存には適しておらず、酒類の原料としては本来不向きと言えます。
そのため世界中で広く栽培されるサツマイモと言えども、酒類の原料となっているのは、焼酎だけなのです。
新鮮な材料の確保、さらに徹底した選別作業が酒質の良否を決定づけます。
いも焼酎がサツマイモの主産地である鹿児島県・宮崎県南部に集中するのはそのためです。
その他のいも焼酎の産地としては八丈島などもあげられ、サツマイモの風味、やわらかい甘さが親しまれています。
代表的なサツマイモの種類は「黄金千貫」(コガネセンガン)です。
麦を主原料とした焼酎。古くは産地が限定され、それは長崎県壱岐島の特産と言えるほどでしたが、現在では大分県などでも広がり主力となりつつあります。
一口に麦焼酎と言っても壱岐の麦焼酎は原料に麦を、麹には米を使用して常圧蒸留を行ったもので、
大分地方の麦焼酎は原料から麹まで一環して麦を使用し、イオンろ過・減圧蒸留したものと違いがあるのです。
大分の麦焼酎の方がマイルドな味わいで、現在では全国的に主流となっています。
米を原料とした焼酎の代表は熊本の球磨焼酎。
良質の米と、水に恵まれた人吉盆地で、江戸時代より盛んに酒造りが行われてきました。これが球磨焼酎の事始め。
また酒造りが盛んになった理由として、藩が自家用に焼酎をつくることを制限しなかったのと、販売する場合の許可が比較的容易にとれたからだとされます。
上品な香りと米の旨みを、最大限に活かした球磨焼酎。
近年では、爽やかでフルーティーな香りと端麗な味わいをもつ、吟醸酒並みの米焼酎も登場し、話題にのぼっています。