どうせならこんな器で

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焼酎を飲むとき、気分が華やぐような器をご紹介します。

■黒ヂョカ

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焼酎の燗をする為の専用の焼き物が黒ヂョカです。

焼酎と水を黒ヂョカに割り一日なじませたものを、そのまま直火で人肌程度に燗をします。それをチョクに注いでチビチビ飲むのがいも焼酎の最も旨い飲み方とされています。一日なじませることで味がまろやかになり、通常のお湯割りとは違った楽しみができます。
チョカはその注ぎ口がイノシシの牙に似ていることから猪牙(チョカ)という説と、酒瓶の中国読みでチュカという言葉が琉球から伝わったという二つの説があります。

■ガラとチョク

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焼酎をおいしく飲む杯(さかずき)として伝統的なものにガラとチョクがあります。

ガラはフラスコの胴に注口を付けたような形をしていて、以前は度の強い焼酎をそのままガラに注ぎ温めて飲んでいたものです。チョクはその形がイノシシの口に似ていることから猪口(チョク)が語源であるとされています。
球磨地方の古い習慣で、焼酎を飲み始めるとき、最初の一杯は決してそのまま口に持っていかず、座っている場所のどこか適当な所に、必ず一滴だけを落としてから口にするそうです。これは先づ神様に捧げてから御神酒を頂くという信仰から発したものと言われています。

■ソラキュウ

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チョクの中で最高の傑作は「ソラキュウ」だと言われています。
独楽(こま)のように底がとがったチョクで、手を離すところりと倒れてしまう不安定な形をしています。ソラキュウに注がれた焼酎は下に置けないので、仕方なく飲まざるを得ません。「そらっ」と差し出されて「きゆっ」と飲み干すというものなのです。
さらには、ソラキュウの底に穴をあけたものがあります。注がれた焼酎が漏れないように、指で穴をふさいで否応なしに飲み干すというものです。

■カラカラ

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苗代川焼の黒ヂョカが素朴で寡黙な、男性的なのに比べ、しっとりとした華やかな竜門司焼(始良郡加治木町産)の酒器カラカラは女性的です。
白磁の表面に緑、飴色の釉薬(ゆうやく)を施した三彩といわれるカラカラは明治のころから焼かれたといわれています。カラカラも酒器の一つで、茶器のよう な注ぎ口のため、猪口(ちょこ)に注ぐときも安定していて、長い間幅広く愛用されてきました。その形はやはり茶器から発展したと思われます。
「カラカラ」 の語源については諸説ありますが、中に陶玉が入っており、振るとカラカラ嶋るためともいわれています。この陶玉はろくろで造った胴体に注ぎ口を張り付けると き、切除した部分ともいわれています。

■薩摩切子

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薩摩切子の持つ繊細なカットと彩やかな色彩、透明感あるクリスタルガラスの輝き。その美しい姿は心をつかんではなさない魅力があります。
鹿児島の焼酎党達は、誰でもこのグラスで焼酎を飲むことに瞳れを抱いていると言われています。

■琉球グラス

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琉球グラスの歴史は50年程で、戦後に米軍がもたらした大量の飲み物の廃瓶を利用して誕生したと言われています。
廃瓶を利用するので、不純物が混じり、気泡が入ることで独特の模様、手触りになります。また、ガラスに厚味があるのも特徴です。
最近では原料の不足や手間がかかることから廃瓶を使う工房が少なくなりましたが、デザインや色など工夫され、オリジナリティーあふれる作品が増えてきています。 琉球グラスで泡盛を粋に嗜んでみてはいかが?