地理的表示の焼酎

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世界の銘酒に仲間入りした本格焼酎があることをご存知ですか?

1995年、世界貿易機関(WTO)のトリプス協定において、「壱岐焼酎」「球磨焼酎」「琉球泡盛」(泡盛)「薩摩焼酎」の4つの産地は、<地理的表示の産地指定>を受け、国際的にブランドが保護される事となりました。これにより、その地域で生産され、決められた製法で造られたものでなければ、これら産地を冠した呼称を使う事が出来ません。

ウイスキーの「スコッチ」や「バーボン」、ブランデーの「コニャック」、ワインの「ボルドー」、発泡性ワインの「シャンパン」。これらの世界的に知られた銘酒も、地理的表示が指定されたものです。

地理的表示が指定された産地のメーカーは、伝統とブランドを守るために日々努力を重ねています。

【地理的表示の産地指定の焼酎】

●壱岐焼酎(長崎県壱岐市) 麦焼酎
①米麹を使うこと。
②米麹と麦を1:2の比率で仕込むこと。
③壱岐の島内の水で仕込まれ、蒸留されたもの。

壱岐焼酎は、もともとは島で収穫される麦を使った自家用麦焼酎でした。米麹を使うことにより、麦麹では出せない独特の甘みと厚みのある味わいがあります。

●球磨焼酎(熊本県人吉市、球磨郡) 米焼酎
①人吉地区、球磨地区の地下水を用いること。
②米麹を原料として発酵させた一次もろみに、米を加えてさらに発酵し、出来上がった2次もろみを人吉、または球磨郡で蒸留、瓶詰めすること。

500年の歴史がある球磨焼酎。現在は28蔵元あります(※2014年4月1日現在)。常圧蒸留により生み出される伝統の味を守り続けている焼酎、減圧蒸留による比較的軽い飲み口の焼酎など、好みに合わせて選べます。

●琉球泡盛(沖縄県)
①原料はタイ米。
②黒麹菌を使った全麹仕込み。

日本最古の蒸留酒で、焼酎のルーツとも言われています。3年以上貯蔵したものを古酒(クース)と言い、芳醇で上品な香りとまろやかさが楽しめます。

●薩摩焼酎(鹿児島県)
①芋焼酎のみ。
②米麹またはサツマイモ麹、水を原料として発酵させた一次もろみに、サツマイモを加えてさらに発酵させた二次もろみを単式蒸留器で蒸留する「単式蒸留しょうちゅう(旧・焼酎乙類)」
③原料に使用するサツマイモは鹿児島県産。
④製造工程から容器詰めまでを鹿児島県内で行う。

2005年に産地呼称の焼酎として認定されました。これにより、鹿児島県産の芋焼酎ブランドが保護されています。