焼酎の香り、油臭

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最近、焼酎が飲みやすくなったとの声をよく聞きます。新しい焼酎ファンが増える一方、あの油っぽい臭いが懐かしい!そう思ってる昔からの焼酎ファンの方もいらっしゃるのでは?

この昔ながらの焼酎にあった特有の臭いを「油臭」といいます。
油臭は、焼酎の原料にある脂肪に由来する油状成分(主に脂肪酸のエチルエステル)が、貯蔵中に酸化したときに生じる臭いです。
この油状成分は、油臭の元となるだけではなく、酸化して商品劣化の原因になります。
近年、濾過技術などの向上により、貯蔵前にこの油状成分を取り除き、油臭の発生を押さえ、品質を保つことができるようになりました。

しかし、元は無味無臭の油状成分も、私たちに口当たりとしてまろやかさを与えているため、取り除きすぎるとどこか物足りない味わいになってしまいます。
油臭と口当たりに関わる油状成分は、焼酎の品質を左右する重要な成分の一つです。

現在主に流通している焼酎は、大部分が濾過で油分を取り除いていますので、瓶の中でも熟成が進んでいますがその変化は遅く、開栓せずに冷暗所に保管すると長く品質を保持できます。
無濾過・荒濾過などの商品は、油状成分が多く残っており酸化しやすいため、早めに飲みきったほうが良いでしょう。

参考:お酒のはなし16号(酒類総合研究所情報誌)

chishiki34a ※貯蔵中にういてくる油状成分

chishiki34b ※濾過器(繊月酒造取材)