「そうだ!原料に注目して、原料から造りまでを皆様にお届けしよう!と思い立ち、はじまった当企画。
焼酎・泡盛の情報、そして蔵元さん訪問記などお伝えしてきた焼酎紀行ですが、とあるスタッフが発した「焼酎の原料造りをやってみたい!!」の一声でスタートいたしました。
その名も「焼酎紀行スタッフが行く!原料体験レポート」
初回は、「米」にスポットを当てて、スタッフ体当たりでレポートしていきます!
今回、レポートするのは米焼酎「露々」(宮崎県:高千穂酒造)です。
「露々」の原料米は、高千穂の町で獲れたお米。食用としても大変美味しい高千穂産のお米から造られる「露々」は、米焼酎特有の吟醸香をまとい、すっきりとした味わいの中にも、お米の甘みが口の中に広がる、まさにお米の旨みを十分に表現した焼酎です。
「露々」の原酒も試飲させていただきました。とても透き通っています。原酒特有のツンとした香りを感じますが、とてもすっきりしていました。
こちらは瓶詰め前の「露々」が入ったタンク。タンクのナンバーは66。そう「ろろ」です。蔵元のユニークさと、「露々」への愛着が伺えました。
今回、稲作体験のご協力いただいたのは、高千穂の町でお米を造り続けて40年以上!内倉さんです。高千穂酒造のOBになる内倉さんはお勤めの傍ら、20歳の頃より米作りをしてきました。内倉さんの田んぼで作られたお米は、自家用はもちろん、農協にも納められ、「露々」の原料としても使用されます。
内倉さんのお宅は標高約400メートル強と、高千穂でもかなり高台に位置しています。前庭には大事に手入れされた花々がとても綺麗に咲いていました。
畑仕事、園芸はもちろん、狩猟の免許も持っている内倉さんは非常に多才なお方のようです。
さて、一同を驚かせたのは、お出迎えしてくれたこちらのワンちゃん。なんとその名も「ロロ」。もらい受けた時点で、そう命名されていたようですが、なんとも運命のようなものを感じました。
こちらが今回、田植えをさせていただいた田んぼ。高千穂の町の斜面に沿って広がる棚田にその一区画はあります。
田に植えられる前の苗は、このような状態です。青々ととても元気の良い苗は「ヒノヒカリ」です。
苗を手に持ち、準備万端ですが、なかなか田んぼに入れずビクビク。
試しに長靴入ってみると、案の定歩けない、抜け出せない状態に。こちらの田の土は、とっても粒が細かく、柔らかくねっとりとしていてます。
このような「ねばねば」した土の田は、良い田として「ぬただ」と呼ばれるそうです。土づくりを丁寧に行った証拠だと教わりました。
気を取り直して、田植え用の装備をして、いざ田んぼの中へ。
なかなか身動きのとれない状態に、とっても及び腰なスタッフ。
その横を田植え機に乗った内倉さんが軽快に走って行きます。一度に4列植えることができる4条植という田植え機で真っ直ぐ等間隔に苗が植えられていきます。
スタッフも次第に手馴れてきた様子で、黙々と精を出しています。自分の植えたお米が「露々」になると思うと緊張しつつも、自然と顔がほころびます。
この苗たちが、夏を越え、立派に育ってくれることを祈りつつ、植え終った苗を見渡すと感動も一入。
米作りには、「米」という字が八十八と書くように、八十八の手間がかかると言われているそうです。
今回体験させていただいた「田植え」の前にも、苗を作ったり、土を作ったりといくつもの作業が行われています。
この先も、この苗たちが元気に成長するまで、水や肥の管理はもちろん、雑草や鳥獣による害から守るために様々な作業手間がかかります。
私たちが経験したのはほんの一部ではありましたが、いかに米作りが大変なのかということが実感できました。
立派な稲になるよう、今後もこの苗の成長を見守り続け、皆様にお伝えしていきたいと思います。