原料体験レポート

原料体験レポート 米焼酎編 その2

LINEで送る

「そうだ!原料に注目して、原料から造りまでを皆様にお届けしよう!と思い立ち、はじまった当企画。
焼酎・泡盛の情報、そして蔵元さん訪問記などお伝えしてきた焼酎紀行ですが、とあるスタッフが発した「焼酎の原料造りをやってみたい!!」の一声でスタートいたしました。

その名も「焼酎紀行スタッフが行く!原料体験レポート」

初回は「米」にスポットをあてております。

第1回目は、田植えを行いました。その様子はこちらから。

さて、「原料体験レポート@米」の第2回目は、稲刈りです。
6月初旬に田植えした稲は、その後どうなっているでしょうか・・・
第1回目と同じく、我々が田植えをさせていただいた、高千穂にある内倉さんの田んぼへ向かいました。

genryo_repo22

当日は、清々しいほどの秋晴れ!
空は青々と澄みわたっていて、風に揺れる稲穂がとてもきれいです。
ところどころ稲が倒れていましたが、これは強風のあおりをくらったもの。田の位置で影響を受ける所もあるし、無いところもある。稲の背の高さでも違うようです。
また、実入りがいいと頭が重いため倒れやすくなるよう。

稲が濡れていると品質が悪くなるため、刈取りは晴天が続きよく晴れた日に行います。また、朝早いと露などで湿っているので、太陽が昇って乾いてからでないと稲刈りできません。だからと行って刈取り時期がずれてしまうと米が熟しすぎて割れやすくなります。
田んぼの水は抜いてから約2週間前後で引くので、水を抜くタイミングと天気のタイミングをよく見計らう必要があるそうです。

genryo_repo23

内倉さんからレクチャーしていただき、稲の根元を鎌で刈り取っていきます。最初はなかなかコツがつかめず2度3度と鎌を当てなおしましたが、1回でザクっ!と刈り取れた時は爽快感がありました。
今回は端のほうの一角を刈り取らせてもらったわけですが、中腰の作業でかなり時間がかかり疲れます。大部分はコンバインで刈取りを行いました。

genryo_repo24

コンバインを少し運転をさせてもらいました。稲にそって取り残しの無いように進むのはなかなか難しかったですが、初めての経験で夢中で運転しました。

コンバインは倒れた稲穂も掬いとれるし、何と言っても刈取り・脱穀・藁の粉砕まで一気にできます。コンバインの作業でも、稲穂が濡れていると機械の故障の原因になるし、田がほどよく乾燥していないと、ぬかるみ、機械がすすまなくなってしまいます。

genryo_repo25

コンバインで脱穀された籾がすごい勢いで袋にたまっていきます。実入りの悪い籾は自動で振るいおとされ、粉砕された藁と一緒に田んぼに落ちていきます。
田んぼに落ちた藁は、土と混ぜて、来年の米を作るための堆肥になります。肥料が必要と言っても、余分な肥料が多すぎるとチッソ過多になり病気になりやすく、作物を育てるに必要な「チッソ、リン酸、カリウム」のバランスをとらないといけないとの事でした。
レンゲを育てて堆肥にする農法など様々ありますが、その土地土地や気候によって農法を変えていかないといけないのですね。

genryo_repo27

籾を入れる袋は一袋、約30キロほど入るとの事。
さて、今年の出来はどうだったのでしょうか・・・。

genryo_repo28

籾を触るとだいたいの出来がわかるという内倉さん。
今年は雨が多く気温も高くなかったので、昨年よりも収穫量も少なく実も小さめであるとの事でした。
作物の出来も、作物を作る過程も、いかに天気に左右されるものなのか、実感しました。

一昔前までは全て手作業て行っていた事を、今では機械でやれるわけですが、土を耕す、稲を植える、刈り取る、という過程では数台の機械が必要ですし、手入れが悪いとすぐに壊れてしまいます。
稲だけではなく、使用する道具も大切にしなければなりません。
また、機械化が進んでいるとはいえ、刈り取った籾を運ぶのは人力。とても重労働です。
この籾を乾燥させ、もみ殻を外し、精米してからやっと原料になります。

genryo_repo29

今回は、田植えと稲刈りの体験をさせてもらったわけですが、他にもものすごくたくさんの手間がかかって作物が出来る事を再確認し、食べ物を無駄にしてはいけない、という事を、改めて感じました。

さて、この米が焼酎になるには、また更に長い道のりがありますが・・・
みなさんのお口に入る「露々」に、私たちの刈り取ったお米が入っているかも?!

取材させていただいた、内倉さん、高千穂酒造さん、どうもありがとうございました!

genryo_repo21