「呑酒之十徳」という詩をご存知ですか。
呑一合 舌先打鼓
呑二合 咽喉鳴笛
呑三合 胸打太鼓
呑四合 臍君大笑
呑五合 紅唇唄歌
呑六合 心充煩悶
呑七合 全身愉躍
呑八合 壮絶快絶
呑九合 豪傑眼中
呑一升 天下無敵
これは金仙という方が
お酒を飲んでいく段階での気持ちよさを謳った漢詩です。
一合飲んでは その美味しさに舌鼓を打ち
二合飲んでは さらにお酒を求めて喉を鳴らす
七合飲んでは 楽しくなって全身で踊りだす
一升飲めば 天下無敵
といった様子でしょうか。
その気持ち良さが表された、とても面白い詩です。
お酒にまつわる詩は、古くからあり
かの有名な中国唐代の三大詩人、李白、杜甫、白楽天も大酒飲みと言われており
多くのお酒の詩を残されています。
有名な詩では、杜甫による李白の飲みっぷりを評した「飲中八仙歌」があります。
李白一斗詩百篇
長安市上酒家眠
天子呼来不上船
自称臣是酒中仙
李白はお酒を一斗飲む間に、詩を百篇もつくり
陛下からお呼びがあってもお酒を飲んでいて船に乗れない といった詩です。
他にも「酒飲みの歌」と題した
この一杯は百薬の長となるか、害となるか、といった様子を詠った詩もあります。
昔から、人々がお酒を楽しみ、
「お酒は飲んでも飲まれるな」の精神が根づいてたことが これらの詩から見受けられます。
「時代は変われど お酒の楽しさは変わらない」
後の世も、こうありたいものです。