酒屋さんの軒先で、木の葉で作られた丸い玉を見たことありますか?
これは杉玉というもので、その名の通り、杉の葉を集めて球状にしたものです。
新酒のできる11月頃、まだ緑で青々としている杉で杉玉を造り、
新酒の搾りが始まりました!という目印として造り酒屋の軒先に吊るします。
この杉玉が次第に枯れてくる事で、新酒の熟成具合を知る事ができます。
現在では造り酒屋の看板のような杉玉も、元々は、
衛生状態が現在ほどよくなかった時代、雑菌による失敗も少なくなかったため、
神様のご加護を願い、酒造りの成功を願うために蔵の中に吊るされていました。
杉を使う理由には、
酒造りの神である「大物主大神(おおものぬしのおおかみ)」を祀る神社のご神木が杉であるため、
また、殺菌作用があると古来から知られていたため、など、いくつかの説があるようです。
また、酒造りに使う樽や、枡なども、昔は杉材から多く作られていました。
日本の酒造りには、杉は欠かせないものだったようです。
画像は、福岡県 喜多屋さんの杉玉。
軒先にかかっているものは通常の大きさのもの。
蔵の敷地には、大きな杉玉が吊るされていました!