広島県「西条」を訪れました。灘、伏見と並び「日本三大酒処」とされるここ西条は、東広島市の中央に位置し、標高と仕込みに適した気候と地下水に恵まれた町です。
西条駅から真っ先に見える、煙突。西条には駅から徒歩圏内に7つの蔵が存在し、まさにお酒の町。
そんな西条の町を探索してみました。
龍王山の伏流水を仕込水とする各蔵元は、それぞれ一般開放され楽しむことができます。
まず、出会ったのが賀茂鶴酒造さんの「福神井戸」。
たくさんの方が並んでいるのを横目に、そのまま賀茂鶴酒造さんを訪れてみました。
いくつもの醸造場を構える広大な敷地内を歩いていると、酒粕置場やお米置場を発見。ふわっとお酒の甘い香りが漂ってきました。
その先には見学室が設けられ、中にはたくさんの人が。お酒造りの道具や、数々の賞状なども飾られ、中でも広島県産の酒米の展示には、その種類の多さにびっくり。
先ほど、味わえなかった仕込水も試飲させていただき、その澄み切った味わいに感激。
商品の試飲コーナーにも、定番の商品からこの時期限定の「しぼりたて」まで。オバマ大統領が召し上がった「大吟醸ゴールド」も。
見学の方が多く、なかなか試飲できないでいると、「どんどん割って入らなきゃ飲めないよー」と館内のスタッフの方に優しい声をかけていただき、思う存分味わうことができました。
季節限定の「あらばしり吟醸 生原酒」はふくよかな味わいで、特に筆者おすすめ。見学の方々は「樽酒」が珍しかったようで、その味わいと香りに驚いていた方が多数いらっしゃいました。
賀茂鶴さんを後にし、次に向かったのは、福美人酒造さん。
こちらの仕込水には、地元の方と思われるタンクを持った方々が続々と。なるほど「美人の井戸」は嬉しいですね。
そのまま近くの賀茂泉酒造さんへ。
こちらは酒造り図書館や、ちょっと喫茶風の酒泉館があります。こちらでも仕込水をいただき、一杯100円(税抜)からのお酒をいただきました。
こちらでは立春の朝に搾った「立春絞り」と言うお酒を西条で唯一造られています。予約でほぼ完売のお酒らしいですが、遠方よりお買い求めと思われる方がいらっしゃっていたほどの人気ぶりでした。
賀茂泉さんの前の通りを歩くと、観光案内所の先に亀齢酒造さん、西条鶴酒造さん、白牡丹さんがお目見え。
白牡丹さんからは、何かしら醸しているのか暖かそうな湯気が立ち上っていました。見学しようかな、と思いきや土日は要予約。事前確認漏れでした、残念。
こちらの仕込水「冥加の水」にも地元の方が並んでいました。皆さん、それぞれお好みの味があるんですね。
その後、駅から見て反対エリアにあたる山陽鶴酒造さんへ。「看板猫ちゃんがいるかも」という紹介文にウキウキでしたが、お会いできず。
この近くには賀茂輝酒造さんもあったそうなんですが、現在は酒造りをされていないとのこと。残念ですね。
駅を挟んで、町を見下ろすようにある松尾神社。お酒の神様を祭る京都嵐山の松尾大社より分霊を受けた神社です。
お酒の神様に守られながら、伝統を守り、お酒を醸し続けるここ西条。白壁とお酒の香りに包まれ、石畳や町の随所にその雰囲気を見ることができる町並みです。
とくに寒い季節は酒造りの様子や、しぼりたてを味わえるベストな季節。
お酒好きな方は、ぜひ一度訪れてみてはいかがですか?