世界一の酒を醸し続けて三十余年の大ベテラン、西尾杜氏(喜多屋)にお話しを伺ってきました。
福岡県の酒蔵喜多屋は、IWC2013(インターナショナル・ワイン・コンペティション)で最高賞チャンピオンサケ受賞後、名実ともに日本を代表する蔵元の一つとなりました。
喜多屋のお酒は「芳醇爽快」
福岡の豊かな食に合う酒として、芳醇と透明感の両立をコンセプトとする木下社長、先代、先々代と三代に渡り受け継がれてきた想いの元、西尾杜氏が筆頭となり、酒造りをしています。
■「酒造り」はせからしい
※福岡の方言「めんどう」「うるさい」の意
大事なこと、大切なことをしているから「せからしい」。
「せからしさ」を楽しさとしています。そこには去年より、良いお酒を造りたいという思いがあります。
目が覚めたらとりあえず醪(もろみ)を見る。醪は喋りはしないが、モノは言っている。朝晩見ないとどうして欲しいかわからない。
■原則原理を守った酒造り
先人達の失敗から生まれ、今残っているものは良いものです。型破りは、極めた人がすることでは、と感じます。まだまだ発展途上です。ゴールはありません。
少しでも、酒質を上げたいと思って造っています。賞を頂くのは嬉しいけれど、皆さんから「おいしい」と言われると、心の底から嬉しい。
酒の種類は何万とあるけれど、仕事は2つのみです。
酒造りを「権利」と捉えるか、「義務」と捉えるか。自分が「酒造りをやりたい」という気持ちで、若い蔵人も含め臨んでいます。
■西尾杜氏おすすめの逸品
酒造りは「権利」であると想いを語っていただいた西尾杜氏ですが、実は「造りよりも飲む方が大好き」なのだそうです。
特に好きなお酒は「大吟醸 吟の瞳」。
味わいがあり、吟醸香も高く、とてもクオリティが高い。「いやーあのお酒は本当に良いよ」と自負されていらっしゃいました。
杜氏おすすめの飲み方は、冷やして。
今回お話しを伺った最後に、御礼を申し上げると、「こういった機会を通して大事な仕事仲間の想いを伝えたい。」とお言葉をいただきました。杜氏として、蔵人の皆さんを思いやるお心遣いがとても印象的でした。
これからも美味しいお酒、世界一のお酒を醸し続けていただきたいです。
ありがとうございました。