清酒「比良松」の挑戦と同じく注目したのが、こちらの「朝倉」です。
篠崎は、広大な樽専用の貯蔵庫を保有するほど、長期樽熟成にこだわった酒造りに力を入れています。
一見、樽貯蔵焼酎のような、ウィスキーのような。なんとこれは、酒税法ではリキュールになります。
酒税法上、焼酎はある一定の色味を越えてはならないため、せっかく長期貯蔵で色づいた原酒も濾過をしなければなりません。
濾過をすることにより、味わいや香りが少なからず損なわれてしまいます。
「貯蔵により生まれた芳醇な味、香りの違いを最大限に味わっていただきたい。
樽から取り出したばかりのえもいわれぬ馥郁とした香味を放つ樽熟成麦焼酎をそのままの状態でお届けしたい。」
考え抜いた末、焼酎ではなく、リキュールとして発売しようと、この「朝倉」が誕生しました。
その味わいは深みのある甘みを帯び、香りは樽香の芳しさが存分に感じられ、口に含んだ瞬間にふわっと広がります。まさに、樽熟成麦焼酎の極みと頷ける逸品でした。
「朝倉」へのこだわりは随所に現れ、製品の一つ一つに「使用樽番号」が記されています。一樽ごとの焼酎原酒を詰めているので、同じ「朝倉」でも樽ごとに違った味わいが楽しめるというわけです。
もちろん、このラベルも一つ一つ手張り作業。とても丁寧、かつスピーディに。職人技が光ります。
そして今回、「朝倉」やその他の長期貯蔵の原酒が眠る、樽貯蔵庫も拝見させていただきました。
蔵から車で走ること20分弱。朝倉を囲む山々の麓の開けた土地に貯蔵庫がありました。
分厚い壁に囲まれた庫内は、真夏の外気とはうって変わって、ひんやりとした空気に包まれていました。この分厚い壁により、年中一定の気温に保たれているそうです。
入ってビックリ!天井まで積み上げられた樽に、一同思わず「おぉぉ」と声がでるほどの、圧巻の風景。ここに眠る樽の数は、なんと2,000本。
新旧様々な樽が貯蔵されており、随所に年季を感じる樽が見られました。
ここで最も古い貯蔵年数は16年。「朝倉」が6年貯蔵の原酒を使用していますが、さらに10年の歳月。その色味、香りは、想像を絶するものであろうと、商品化に期待が膨らみました。
様々な角度から、チャレンジを繰り広げる篠崎。
幅広いカテゴリーを造る蔵元だからこそ、今後の動向が非常に気になりますね。
続いては
篠崎の蔵内を見学&試飲させていただきました
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一番注目の挑戦!
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