酒造りの最初の行程となる洗米。
洗米(お米を洗う)と浸漬(お米を水に浸す)の過程で、お米に水分を吸わせます。
「蒸し上がりの水分を想定して秒単位で管理します」
そう、この時の水分量がお米の蒸し上がりはもちろん、酒母造りの際の水分量などその後の酒造りに大きく影響します。
そのため、洗米・浸漬の作業は全て秒単位での管理に。各時間は、お米の精米歩合や温度、水温に左右されています。
お米の温度と水温に差があるとお米が割れてしまうそうです。この日の水温は約18度。小まめに水温をチェックします。
お米を小分けにして、洗米前と洗米後の重量を計り、少しずつ時間の調整を加えていきます。
杜氏さん曰く「最も神経を使う作業」とのこと。
「3、2、1」の掛け声とともに、一斉に洗米機へお米が投入されます。
この洗米機は下から気泡が出ていて、その気泡がお米にぶつかることで研磨されているそうです。
洗う、水に浸す作業はもちろん、水を切る際の作業も全て秒単位。
真剣にストップウォッチを見つめながら、カウントダウンが始まります。
蔵人のチームワークが最大限に発揮される場面です。
水を含む過程のお米は周りが白く、中心は透き通っており、まるで目玉のよう。このお米が充分に水を吸って真っ白になります。
こちらの作業は後の「麹」になるお米の洗米。
一つのザルにお米が20キロ。洗米後には26キロと、なんと6キロも増えていました。
給水率に合わせての、秒単位の管理と動き。皆さんが集中し、動きを合わせます。
虚空乃蔵では、全てのお酒をこのように時間をかけて丁寧に洗米します。普通酒でも大吟醸と同じように手間をかけます。
この日の午後はずっと洗米。もちろん一時も気を抜かず、微調整をしながら作業が繰り返されます。
あまりの精密さに「時々気が抜けたり動きが乱れたりしてしまうことはないのですか」と、つい質問してしまいました。
「そんなことはありません。蔵の皆がチームとなって酒造りをしています。一人でも気を抜くと良いものは造れません。皆そのような意識を持って酒造りに臨んでいます。」と杜氏さんの真剣な言葉。
「知識だけでは酒造りは上達しません。良いものを造りたいという皆の気持ちと、一つ一つの経験を積み上げてお酒を造ります。」
この杜氏さんの言葉と真剣な表情から、お酒造りへの真摯な姿勢、意気込みが伝わってきました。
「手造りにこだわる」和田社長の言葉を蔵全体で共有し、良いお酒を育んでいるのだと実感できた一面でした。
さて、次はこのお米を蒸す作業をレポートします。
蒸米レポートはこちら
製麹・酒母仕込レポートはこちら
酒造り体験を終えて
虚空乃蔵のチームワーク抜群な洗米を動画でお届け!