お蔵探訪記
重家酒造合名会社

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横山 雄三  (よこやま ゆうぞう)さん
重家酒造合名会社 専務 兼 杜氏
重家酒造の手造りの良さ

重家酒造のこだわりでもある手造りの良さとは何ですか?
「当社のような手作業による焼酎造りは労力と手間が掛かるものです。しかしその分、焼酎と真正面から向き合って造り上げられる。これが手造りの良さだと考えます。
①地元の原料を使用する、②汗をかいて焼酎を造る、③伝統を守る
だけでなく焼酎に良い影響を与えるものは積極的に取り込む
これが重家酒造のモットーです。原料の麦は壱岐産のニシノホシ、米も壱岐産のコシヒカリを使用。地元の素材にこだわっています。重家酒造は創業以来の製法が伝承され、昔から蔵で使われている道具がいまも活躍しています。代々受け継いだものを大切にする一方、改善・工夫できる点は変えていく姿勢です。2008年の秋には蔵の心臓部である麹室を改装しました。麹にとってより快適な環境で造れるようになったんですよ。私達の蔵は少量の生産ですが、皆さんのご期待にお応えできるよう頑張っていきたいと思います。」


横山専務
壱岐の大麦生産の取り組み
 

壱岐は昔から穀物地帯として知られていますね。
「壱岐市には長崎県で2番目に広い深江田原平野があります。6〜10月は米、11〜5月は麦という風に二毛作で栽培されているんですよ。壱岐地区麦類生産流通協議会に加盟した地元農家の方々が栽培し、同協議会によって管理されています。
2009年
4月には壱岐市の酒造メーカー7社が農協と提携し、焼酎用の大麦を生産する農家に対して奨励金を支払うことが決定されました。農家の方々の生産意欲を刺激するとともに、『地産地消焼酎』の増産を目指しています。」

横山専務
壱岐焼酎 普及への課題

壱岐焼酎の課題は何だと思われますか?
「ご存じの通り、壱岐焼酎は焼酎発祥当時から米麹:大麦=1:2の配合で造られています。現在壱岐には7つの酒造メーカーがあり、同じ配合を貫いています。しかし同じ麦焼酎といえども、それぞれの蔵によって製法や味わいが異なります。蔵によって“味の幅”があるのが壱岐焼酎の魅力です。
その反面、ブランドの統一感に欠ける面もあります。全国でまだ壱岐焼酎の知名度が低いのは、壱岐焼酎がどんなものか消費者の方々がイメージ・認識しにくい点にあるのではないでしょうか。蔵元がそれぞれの焼酎の個性を大切に守りつつ、県や酒造組合の支援を活用しながら協力して壱岐焼酎の情報発信、PRしていくことが大切ですね。」

重家酒造 商品

 
横山 太三  (よこやま たいぞう)さん
重家酒造合名会社 常務
壱岐で焼酎を造ること

壱岐で焼酎を造る大変な面、良さはありますか?
「離島という環境上、一番苦労するのは資材の運送コストの問題ですね。交通手段が船ですので、資材購入費より運賃の方が高く掛かることもあります。それでも壱岐で焼酎を造るのは、原料となる良質の穀物が採れ、きれいな水と昔から伝承されている壱岐独自の製法があり、ここに“焼酎を造る必然性”があるからです。先代から引き継いだ大切な蔵を、これからは私達で盛り上げていきたいですね。」

横山常務
「オンリーワン」の焼酎を目指して
 

理想の焼酎像についてお聞かせ下さい。
「当社の商品の出荷比率は島外:島内=9:1で、圧倒的に島外が多いです。営業を担当していると、飲食店様や一般のお客様からもっと重家酒造の焼酎が飲みたいというご要望を頂きます。原料にこだわった手造りの焼酎造りが当社の魅力ですから、これは一貫して続けたいと思います。地元だけでなく全国に必要とされる“オンリーワン”の焼酎造りをすることが、我が蔵の使命だと思います。」

横山常務


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