お蔵探訪記
花の露株式会社

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                        ※今回は、 花の露の冨安拓良様山城敬一様をご紹介します。
            

 
冨安 拓良(とみやす たくろうさん
花の露 専務取締役 
冨安専務商社マンからの転身を語る
 

3年半前まで東京の大手商社に勤めていた冨安専務。当時は、あちこちを飛び回って忙しく働いておられましたが、城島町に戻ると時間の流れがゆっくりしていると感じられるそうです。
「商社というのはモノやサービスを売っていくらの世界だったわけですが、酒造りの世界では『売ろう』という気持ちだけが前面に出過ぎるとかえってよい結果が得難いような気がします。それよりも納得できるものを妥協せずに追及していくことで、結果的にお客様に共感して頂くというプロセスが大事な事だとようやく気付きました。」
どの分野においても、最善の策を見つけ出し、全力で取り組んでいる様子が伺えます。研ぎ澄まされた感性で焼酎造りに従事されている印象を受けました。

冨安拓良専務
芋焼酎を開発中の冨安本家酒造
 

お蔵の裏手には、広々とした芋畑が広がっていました。この芋を使い2002年より試験的に芋焼酎を製造しています。日本酒造りでは長い伝統がある中で、次へのステップアップとして注目したのが福岡県では新しい分野である芋焼酎でした。
「焼酎の造り手として新しい事にチャレンジしたい気持ちから始めました。我々はさらに勉強を重ねることで、長い歴史を持つ焼酎の蔵元様にあらゆる面で追い着いていきたいです。蒸留は減圧法、常圧法どちらでも試しています。上品な味に仕上げようと試行錯誤している最中です。」
地元で栽培する芋を使うことにより、本場鹿児島の芋焼酎とは差別化を図っています。その違いは土壌。土が違うと芋にも違いが出ます。鹿児島は大半がシラス台地で覆われさらさらした土質であるのに比べ、福岡の土は粘土質。花の露の芋焼酎はどんな味に仕上がるのでしょうか。大変興味深いです。

芋畑が広がる
冨安専務の焼酎造りへの思い
 

焼酎造りへの思いを伺いました。
「培った技術を途切れることなく維持していきたいです。しかしその技術以上に大切なのは、気持ちを込めて一生懸命造る事です。どれだけ長い間人々に愛される焼酎を造れるかがポイントだと思います。」

まだまだ気持ちを込めることが足りないと話されていました。これは、どこまでも高めることができる心得ですね。


仕込みに従事する冨安専務
これからの焼酎業界を斬る!
 

「現在のようなペースでの焼酎市場の拡大は、いつかは限界が来ると思います。しかし、今のように業界が活気付いているうちに各蔵元がプレミアム的な商品開発に偏ることなく、レギュラークラスの商品の品質の向上を目指していけば、焼酎ブームの終焉は避けられると思います。」
花の露のこれからの焼酎造りについても語って頂きました。
「どこかで飲んだことのある味では意味がないと思います。『旨い!』と思えば使ってはいけない原料はないと考えています。」
どこにもない味を求め果敢に挑戦しています。

甕に焼酎を寝かせる
                                                    

 
山城 敬一(やましろ けいいち) さん
花の露 取締役製造部長 
 
山城部長焼酎今昔を語る
山城敬一製造部長

花の露の焼酎造りを一身に引き受けている山城部長。黙々と仕込みに取り組んでおられました。
「焼酎の長い歴史から見ると、社会的背景、技術の向上等で製法や取り組みが異なってきたのは当然だと思います。まだ20数年しか焼酎造りに携わっていないのですが当初は清酒が淡麗辛口化の時代で、その延長線上に焼酎を位置付け淡麗な酒質を目指していました。現在では、きれいな中に旨みのある味に取り組んでいます。」


 
旨味のある柔らかな味を提供することが大切です
仕込みの様子

「原料の品質や製造方法を吟味し旨味のある柔らかい味を提供することを大切にしたいですね。食事をしながらおいしく頂ける焼酎を造りたいと思います。本格焼酎は清酒と同じく、食中酒として親しまれています。近年の食生活の変化に伴い、料理との相性がますます高まってきたのではないでしょうか。」
焼酎が身近な環境の下で、愛され続けることを望んでおられます。美味しい焼酎を造ろうとする思いには、山城部長のお人柄に反映される優しさが込められています。

 
どの工程でも気を引き締めて焼酎造りに携わる
特に気を使う蒸留工程焼酎の製造工程は大きく分けて、発酵工程と蒸留工程から成りますが、どの工程でも気を緩めることなく携わっています。
「発酵の工程では使用する原料に合った原料の処理、使用する種麹の性質に合わせた温度管理に気を付けています。一定の品質の麹や主原料をもろみに供給しなければならないのです。
蒸留工程では、目的とする酒質に適した圧力や温度の選択に気を使いますね。特に蒸留の後半はより気を使います。」
 
焼酎ファンへ一言

「本格焼酎は単式蒸留により多くの成分を含み、しかも原料や製造方法によりバラエティーに富む奥深い香味の蒸留酒です。お好みの飲み方で食中酒として親しんで頂き生活の潤いとして欲しいです。」


                                                    
                                                    

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