小牧醸造株式会社

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山下 米男 (やましたよねお)さん
日当山醸造 取締役工場長

日当山醸造の杜氏である山下米男さんは、焼酎に関わる様々な仕事を経験されています。「1976年ボイラー技師として飛び込みで日当山醸造株式会社に入社しました。当初は詰口担当として4年間、酒税担当として5年間仕事しました。」そして31才の時から杜氏として仕事を任され、現在まで17年間焼酎造りに心血を注いでこられました。

今回、山下杜氏に蔵内を案内して頂きましたが、たいへん丁寧に各工程ご説明して頂き、焼酎造りにかける熱い情熱が体全体から伝わってきました。「当社の焼酎は本当に美味しい。そして付加価値のある商品ですし、これからもそうありたいと思います。」
山下杜氏
「お客様から電話、ハガキで『こんなおいしい焼酎は飲んだことがない!どうすれば入手できるんですか』とお問合せ頂きます。この事を聞いた時元気100倍すごく嬉しい気持ちになります。」飲む人がいて、造る人がいる。造る人がいて、飲む人がいる。その関係を非常に大切にされています。
「焼酎造りの面白みは・・・自分が気分の優れない時、怒っている時『もろみ』が私を見て不機嫌になるんですよね。生き物ですから気は抜けません。そこに焼酎造りの面白みを感じます。」常に気分良く『もろみ』を見守ってあげるよう心掛けている、そう山下杜氏はおっしゃいます。

「苦労する工程はありません。」と、ニッコリの山下杜氏。ただ、「麹」に着手してから焼酎が出来上がるまで約三ヶ月間(「麹」の仕込みに着手してから蒸留が終了まで約17日間)昼夜を問わず気が休めない事が大変だとのこと。そのご苦労があってこそ私達は美味しい焼酎を飲むことが出来るのですね。


酒屋用語で「一麹、二もと(酒母)、三造り(醪)」という言葉がありますが、山下杜氏も焼酎造りの要素としてこの三つを挙げます。

「焼酎造りの三要素は、①麹②差し元(酒母)③造りです。

①麹
麹は『ハゼ廻り』(麹菌が蒸し米上に増殖していく様)を良くしなければいけません。
②差し元(酒母)
従来アルコール作りには『純正酵母』が使用されていますが、本格焼酎では3日間だけ「純正酵母」を使用し、後は自社の『酵母』として4日目の『もろみ』の『酵母』を一升瓶一本くらい継ぎ足していきます。『酵母』には1mlの中に何億もという『微生物』がいると言われています。
③造り
一次もろみ造りでは『並行複発酵』※1で発酵作用※2と糖化作用※3が同時に行われていき、その時の温度の接点は30度から32度の温度が望まれています。この温度の管理が造りのポイントです。「差し元」の重要性と同様に「もろみ」も「造り」も重要になります。」


※1
並行複発酵・・・糖化剤として麹菌の酵素を用いて一つのタンクの中で糖化と発酵を同時に行う発酵形式。麹菌の酵素により生成した糖が酵母によって即座に利用され、アルコールが生成される。
※2発酵・・・ブドウ糖を酵母がアルコールにすること
※3糖化・・・でんぷん質をブドウ糖にすること
一麹、二もと、三造り
  「『コク』と『キレ』がありコシの強い男性的な焼酎です。しかし最近ソフトでまろやかな焼酎も開発致しました。」男性的な焼酎が芋焼酎「アサヒ」であるとすれば、ソフトでまろやかな焼酎、言わば女性的な焼酎が芋焼酎「千秀」です。「私の現在に至るまでの経験と知識で今まで成しえなかった『減圧蒸留』に挑戦し見事に成功を成し遂げた商品が『千秀』です。芋焼酎初心者の入門編、そして特に女性に味わってもらいたいですね。」クラッシュアイスをコップに入れ、なみなみと「千秀」を注いで少し時を持たせ味わって貰いたい焼酎です。
  「今後は、女性をターゲットにした『芋』臭さの少ない、そしてその中に中身の濃い、味のしっかりした焼酎を造っていきたいです。」
  増税後もゆるやかなカーブを描いて売上が伸びている芋焼酎。本格焼酎ブームと言われる現在の状況について山下杜氏は若干不安を抱いていらっしゃるそうです。「元々、全アルコールにおける『本格焼酎』のシェアは3%しかありません。今は、本格焼酎ブームにより倍にもなれば絶対量がなくなるため皆様にご迷惑がかかります。それが唯一心配なことです。
ですが『芋焼酎』は二日酔いが少ない、太らない、血液をさらさらにする、食を選ばない、オールマイティな飲み方、その他・・・このような『芋焼酎』が何でもう少し早く見直されなかったのか不思議でなりません。」
  「『あなたハマッちゃいましたね』これが芋焼酎です。『昨日飲み過ぎちゃったよ俺』と朝から昼頃まで『今日はやめた、飲まない!』と言っていたあなた、6時頃になればいつしか芋焼酎の一升瓶を持っている・・・芋焼酎は人をそうさせてしまう不思議な魔力があります。でも健康を考えて飲みすぎに注意を?なが〜く飲みたいものです。」



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