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【お蔵レポート】菊水酒造に行ってきました。その2  蔵内見学編

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さて、いよいよ菊水酒造さんの「造り」を拝見。

巨大な縦型精米機。
精米機

一般的な食用の精米機は横型ですが、縦型はお米を磨き上げるのに適しており日本酒造りに欠かせない精米機なのだそうです。

玄米からこの精米機を通って磨き上げられたお米がこちら。
酒米

左から精米歩合70%、40%。
40%はとってもまん丸。まるでビーズのようです。
製米後

精米されたお米は「二王子蔵」へ。
蒸して冷却された大量のお米が運ばれていました。
蒸米

こちらは麹米。麹菌の繁殖でお米の周りには薄っすら白く、まるでポンポン菓子のよう。
お味は甘い。これは麹菌がブドウ糖を作っているからなんですね。
麹米

そしてこちらは「菊水の辛口」の醪(もろみ)です。パイプを通って運ばれてきたお米と水が投入されている「中仕込み」の真っ最中でした。
別のタンクでは、プツプツと発酵の様子が良くわかります。
中仕込み
醪(もろみ)

ここで、なんと搾ったばかりの「ふなぐち一番しぼり」を試飲させていただきました!
ふなぐち一番しぼり

さすが搾りたて香りが新鮮。スーッと鼻を通って、香りだけで口の中に味わいが広がるよう。
ほんの少し荒さを残しつつ、お米の旨みが充分。美味しくて、試飲コップを手放せず。これから徐々に酒質が落ち着いてきて、さらに芳醇に美味しく変化していくのが楽しみです。

そして二王子蔵で造られたお酒はボトリング工場へ。

ただいま新しいボトリング工場建設中のためこちらは見納め!
菊水酒造 ボトリング工場
リサイクルで回収された瓶は洗浄されますが、10%程度は不良があるそうです。傷などが入って使えない瓶はアスファルトの原料になるなどしっかりとリサイクルされているそうです。

こちらは2014年の新商品「パウチ」シリーズ。
パウチシリーズ詰め

フランスから輸入しているこのパウチ資材は、特殊な弁を使っているため、封を空けても中のお酒が空気に触れることなく新鮮なままに味わえる優れもの。
このパウチも通常なら企業秘密となりそうですが、「ぜひ他の蔵元にも使っていただきたいので、どんどん紹介していきます」と日本酒文化全体の向上に余念がありません。

別のラインでは、猛スピードで流れていく「ふなぐち一番しぼり」
この後全国の菊水ファンのもとへ出荷されていきます!

こうして製品は出荷されていくんですね。
出荷の様子

蔵の中には、日本有数の出荷量を誇る菊水さんならではの大型設備がいっぱいでした。

しかし合理化の一方で、造りに携わる方一人一人が、原料、製品に対して真剣に愛情を持って向き合う姿勢に強い印象を受けました。
一連の酒造りの中で、各々が自信と誇りをもって担当に臨まれているからこそ、人の心を動かす良いお酒が生まれるのだなと実感しました。

温故知新
蔵の中に掲げられていた「温故知新」という言葉。
先人たちが残した伝統を良く理解し、新しいことに挑戦していく髙澤社長のお言葉そのものだと感じました。

これからも美味しいお酒を醸しながら、ならではの新しいスタイルを生み出して日本酒文化を盛り上げていただきたいです。
最後に、お世話になった菊水酒造の皆様、貴重な体験をありがとうございました。