●そば
そばを主原料とした焼酎で、1973年頃に宮崎県の焼酎メーカーが開発。
今日の焼酎原料の多様化は、この「そば焼酎」に端を発したと言っても過言ではありません。
まろやかな口当たりに加え、ほのかな甘味、くせが強くない軽快な味わいが特徴です。
そばの素朴な風味を活かすため、蒸留などにこだわる蔵も多い。その歴史は浅くとも、宮崎県をはじめ、長野県や福岡県などの他県においても生産は活発に行われています。
メーカー毎にそれぞれ違った特色があるので、それぞれ飲み比べてみてはいかがでしょう。
●とうもろこし
焼酎ブームの到来(昭和60年前後)とともに、様々な原料から生みだされた焼酎もでてきました。その一つが、とうもろこしを原料にした焼酎です。
特徴は、とうもろこし特有のすっきりした香りと、まろやかな味わい、そして軽快なのどごし。
認知度からいえば、いも焼酎やそば焼酎ほどではないものの、その飲みやすさと独特の風味にひかれてファンもじわじわ増えてきており、
また最近では、長期貯蔵ものも登場しその注目度も高まってきています。
宮崎の高千穂でつくられるものが代表格といえます。
●黒糖
原料はサトウキビからつくられる、糖蜜(黒糖)。
本来、酒税法では黒糖による蒸留酒はスピリッツに位置付けられているため、高い税率がかかります。
それを、奄美諸島に限り、麹を必ず使用することを条件に、焼酎として許可されています。
日本のラムと言われるよう、他の焼酎にない、洋酒風の甘い独特な香りが特徴です。
あの長寿で有名だった故泉重千代氏が、毎晩晩酌に用いていた焼酎といわれ、健康ブームと重なって注目度の高い酒でなのです。
●その他
焼酎ブーム最盛期には、多種多様な原料を用いた焼酎が続々と出現し、愛飲家たちに喜ばれました。
それらを列挙していくと、「はと麦・ゴマ・しいたけ」などが挙げられます。
今は、ブームになっているのが「こうりゃん」で造っている焼酎「アマノタムサケ」などです。
でんぷん質を糖分に変えて発酵させればアルコールが生成されるので、理論的ににはそれらを含んだものであれば焼酎の原料になり得るのです。
今後も「新しい焼酎」が誕生するに違いありません。