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【お蔵探訪記】西酒造に行ってきました。その2~畑編~

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西酒造では、自社農園や契約農家で収穫された芋や米を原料として使用しています。
社員自らが原料づくりより携わり、土から始まる焼酎造りを実践されています。

今回は、その自社農園の一部、今田試験農場と、田んぼを見学させていただきました。

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まずは広大な土地に広がる芋畑から。

今回お話しを伺ったのはこちら生産部のお二人。
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写真左から福倉製造課長と日高さん。

背後に広がるのは、ハウスで育てられている種芋。この芋達は実際に使用される「芋」ではなく、苗をとるために栽培されています。

茎から見える白い髭のようなところが、「芋」になります。(写真:右上)
この種芋の大きさは少し小ぶり。(写真:左下)
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原料用の芋として育てられるのは、この種芋から切った苗を植えつけたもの。
伺った4月下旬はちょうど苗付けの最中で、先日切ったばかりの苗の後がいっぱい残っていました。
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芋を焼酎仕込みに適するよう大きく育てるため、この切った苗を斜めに土に刺していくそうです。

この日はあいにく苗付け作業はお休み。苗付けの様子を再現していただきました。
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苗を植える箇所にはオリジナルの「宝山」マークがついたビニールシートがかけられています。
きちんと間隔がとれるよう、30センチ間隔である宝山ロゴ横の丸印に切った苗を植えていきます。

植える苗は、種芋から切り取った後、3、4日置いてからこのように畑に植え付けられます。あえて水分を切ることで、植えた時に水分を欲しがり、根が強くなるからだそうです。なんだか少しかわいそうかもですね。

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また、この農場では「宝山」の原料だけでなく、様々な芋を試験的に育てています。その中には、焼酎原料として使われたことのない食用の芋もあるそうです。様々な挑戦を繰り返し、商品を生み出しているんですね。

次に、麹となるお米を育てている田んぼも拝見させていただきました。
現在の蔵元へ移転する前の創業当初の蔵があった丘から見下ろすように田園が広がります。
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ここで面白いものを発見!
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そう、宝山印の肥料!

これは、焼酎カスを食べたブタから取れた堆肥。なので、少しアルコールの匂いがするそう。
焼酎を造る際に出てしまう焼酎カスを利用し、そしてそこからまた原料となるお米を作る。素晴らしいサイクルです。
ここが「土から始まる焼酎造り」と呼ばれる所以でしょう。

また、西酒造では米の栽培だけに留まらず、その種籾の発芽から精米まで全て一貫して行っています。
広い育苗施設で(写真:左上)種籾からの苗作りを行います。麹米の苗作りから行うのは、多くの焼酎蔵がある中でも非常に珍しいことです。
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手塩にかけて育てた苗が広がる田んぼを見つめる視線は親心そのもの。

こちらの田んぼではコシヒカリがメインで育てられていますが、中には清酒造りで良く使われる山田錦なども栽培され、実際に山田錦を麹米に使用した焼酎も造られています。

芋や米にとても愛着をもって話されるお二人。焼酎造りへの想いも語っていただきました。
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焼酎と言うのはまだ未知なことが多い。
今まで主流でなかった飲み方も、飲んでみると旨いということがあり、
5年後10年後はどういう飲み方をされているのか、どういうものが好みとされているかはわかりません。
焼酎の原料とされていない芋の種類もまだまだたくさんあり、新しい発見があります。だから焼酎は面白いんです。

「飽くなき焼酎への探求」今回の訪問で浮かんだ強い印象。
原料から造りまでの徹底した姿勢、商品、品質はもちろん焼酎文化全体の向上に努める姿勢に非常に感銘を受けました。

これからも社員の皆様一丸となり、本当に旨い!焼酎を造り続けていただきたいです。最後に、お世話になった西酒造の皆様、貴重な体験をありがとうございました。

西酒造さんはこんな所
【お蔵レポート】西酒造に行ってきました。その1